ネタバレ注意!
第一回目は公安9課という組織がどういったものかを解説するためのものとなっている。
事件としては単発で、伏線はない(はず)。
今回は公安9課の性質と、電脳についてざっくりと理解できればOK。
まずは攻殻の舞台から。
東京だと思ってる人もいるかもしれないが、舞台は新浜(にいはま)県新浜市(兵庫県新浜市沖合に増設された人口都市)。
関東は核攻撃により壊滅、福岡市に新首都が置かれるまでの間、新浜市が一時的な首都として機能しており、その間に発展した。
公安9課は警察内の部署ではなく、首相及び内務省直属の独立した組織。
活動に際し、憲法を超越する権力(諜報、武力介入、暗殺など)が与えられており、第一話はその紹介の意味合いがある。
芸者ロボットの襲撃事件で軍と警察が指揮権の取り合いをしているところに9課課長の荒巻が現れ、警察が直立不動となりビビるシーンがあるが、そこで公安9課が警察よりも上部の組織であることを示唆している。
軍とは(立場的に)対等ぐらいかもしれない。
電脳とは、人間の脳を直接ネットにつなぎ、通信や情報の視覚化を行えるようにしたもの。
または、脳そのものを電子器械化した状態。
ネット経由で他人の脳をハッキングし、攻撃したり遠隔操作したりできる。
また、自分がそうされないように防御する必要もある(攻性防壁、防壁迷路、身代わり防壁etc)。
第一話では有線、無線による通信、ハッキング、自分の脳の記憶を焼くなどのシーンがある。
他人の脳と自分の脳を入れ替えることも可能←これは第一話の事件に直接関係してくる。
料亭突入前の少佐のセリフで、9課のパズ、ボーマへの命令。
彼らは近くにいるはずの、ロボット芸者を遠隔操作しているハッカーを拘束するため待機している。
トランスとは、そのハッカーが自分の電脳とつないでいるアタッシュケース型の装置かと思われる。
それを壊されるとウィルスが送り込めなくなるから。
少佐がロボット芸者を制圧し有線した直後、シーンが変わり、ハッカーのトランスがバチっと感電したようになり、すぐに犯人が逃げる。
逆探知されたことを察知したからだろう。
この時、ハッカーは「身代わり防壁」を焼かれたので肉体は無事。
しかし、少佐が探査ウイルスを送り込んだので追跡可能に。
その後、バトーらに拘束されたハッカーは自分で記憶を焼き消した。
複数のロボット芸者を同時に遠隔操作するので、自分の電脳だけでは容量不足?
そもそもこの「トランス」に対する説明はどこにもないので分かりづらい。
誰かに電脳を攻撃された際、自分の身代わりとなって攻撃を受けるための装置。
大体首の後ろに付いている。
作中何度も出てくる単語なので、覚えておきたい。
外務大臣、その秘書官(実は軍のスパイ)と北米産業振興会の役員との会合中、芸者ロボットが突如彼らを襲撃し、北米産業振興会役員2名を殺害、秘書官に重傷を負わせた事件。
芸者ロボットは外部からのハッキングにより遠隔操作されていた。
黒幕の存在と目的が操作の要点となる。
自衛軍統合幕僚会議情報本部長の久保田と、公安9課長の荒巻は旧知の仲。
荒巻は現場に久保田がいることで、事件と軍の関係を疑う。
現場を制圧した後、久保田は荒巻と少佐に事件の背景について語る。
事件が起こる前から、外務省より軍に対し「一之瀬レポート」への関心が寄せられていた。
「一之瀬レポート」とは、非常時における外交及び軍事的戦術シナリオのこと。
一連の外務省の動きをいぶかしむ久保田は、部下を外務大臣の秘書官として送り込み調べさせたが、怪しい動きはなかった。
そんな折に今回の事件が起こり、部下が重傷を負ったことで久保田は心を痛める。
荒巻はそんな久保田をおもんぱかるかのように今回の事件の調査を引き受ける。
旧友の久保田のために事件の調査を引き受けた荒巻だが、まず友人である久保田を疑い、軍と「一ノ瀬レポート」の利害関係から調べ始める。
「一之瀬レポート」が軍にとってマイナスのものであれば、軍がそれを入手しようとした外務大臣を内偵していたスパイ(秘書官)ごと消す理由ができる。
友人であっても頭から信用しない荒巻の抜け目なさをアピールしている。
調査の結果、「一ノ瀬レポート」は軍の予算に関与しないことがわかる→軍による外務大臣暗殺未遂事件(スパイの口封じも含む)の線は消える。
軍による暗殺の線が消えたことにより、荒巻は少佐以下に事件の再調査を指示する。
拘束したハッカーは記憶が焼かれたため何の証言も引き出せない。
外務大臣が酔うと時々芸者と体を入れ替えて遊んでいたことが発覚。
トグサは北米産業振興会役員がトイレに持ち込んだアタッシュケースと、事件後外務大臣が持ち出したアタッシュケースが同じであることを突き止めた。
これらの事実から事件の概要が浮かびあがってくる。
黒幕は北米産業振興会役員になりすましたスパイ(おそらく北米の政府あるいは軍関係者)。
目的は「一之瀬レポート」。
外務省正規ルートでも「一之瀬レポート」の入手が困難だと判断したため、外務大臣の体を乗っ取って、大臣命令で強引に入手しようと画策した。
以下はそのための手順。
①
外務大臣と芸者が体を入れ替える趣味があることを知っており、会合中それを促す。
体を入れ替えるとは、お互いの電脳を積み替えること。
そうすると、〈外務大臣の脳が積まれた芸者の体〉と、〈芸者の脳が積まれた外務大臣の体〉が出来上がる。
- 外務大臣(脳は芸者)
- 芸者(脳は外務大臣)
②
ここで仲間と合図し芸者ロボットの電脳をハッキング。
他の芸者同様〈芸者の脳が積まれた外務大臣の体〉も遠隔操作できる。
- 外務大臣(脳は芸者)←遠隔操作
- 芸者(脳は外務大臣)
③
準備が整ったところで、北米産業振興会役員がアタッシュケースを手にトイレへ。
そのアタッシュケースの中には不要な電脳が入っている。
北米産業振興会役員は、芸者の頭に入った外務大臣の電脳を取り出し、持ち込んだアタッシュケースに詰め込む(もともと入っていた不要な電脳は取り出す)。
そして、大臣の頭にある芸者の電脳を元通り芸者の体に戻す。
最後に、その芸者(遠隔操作中)を使って北米産業振興会役員の電脳を大臣の頭に積み込む。
この過程を大臣の秘書官に見られたので、芸者ロボットを使って彼女を襲撃。
- 外務大臣の電脳→アタッシュケースへ
- 外務大臣(脳は北米−役員)
- 芸者(脳は元に戻った)←遠隔操作中
- 北米−役員(いらない脳を積む)←殺害
④
不要になった北米産業振興会役員の体に、もともとアタッシュケースに入れていた不要な脳を積めて、芸者に襲わせ殺害させる。
出来上がった〈北米産業振興会役員の脳を積んだ大臣の体〉も芸者に襲わせているが、必要なので殺害はしない。
⑤
9課に助けてもらった後、〈北米産業振興会役員の脳を積んだ外務大臣の体〉で、外務大臣の電脳を入れたアタッシュケースを持ち現場を去る。
⑥
後日、乗っ取った大臣の体で「一之瀬レポート」を入手し、大臣専用機でアメリカに向かおうとする動きを9課がキャッチ。
阻止するために動く。
空港で大臣が暗号化された「一之瀬レポート」を読もうとしても読めないシーン。
9課が先に手を回して「一之瀬レポート」の暗号を変更したか、もしくは大臣の解任が決定された時点で機密文書の暗号が読めなくなるようにプログラムされていたのかどちらか。
荒巻は空港で大臣解任を告げるが、それには総理並びに与党役員会の承認が必要。
短時間でそれらを揃えた荒巻の手腕に久保田は驚嘆するが、荒巻は「備えあればなんとやら」。
恐らく事件発覚から用意したのではなく、元々9課にそういった権限(書類の偽造など?)が与えられている、あるいは黙認されていると推察される、
さらに久保田は「天候不順などなかったのに大臣専用機は遅れてくれたしな」と偶然を感心する。
荒巻「それが公安9課だ」。
大臣専用機が遅れたのは偶然ではなく、9課の工作によるもの。
そこまでの強い権限と特殊な能力を持っているチーム、それが公安9課だと誇らしげに告げたのである。
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