*ネタバレ注意!
この第8話は場面がコロコロ変わるのでかなりわかり辛い。
重要なのは、
- 9課は「個別の11人事件」の重要参考人としてカワシマショウという人物の身柄確保を目指す。
- カワシマの顔を盗んだとされるウォン・チューレンなる人物(国際指名手配、暗殺命令)が登場。
- 一課がウォンを暗殺するが実はそれはカワシマ本人だった。
- 9課の捜査は一端白紙へ。
という流れ。
さらに、
- 合田の経歴。
- 合田と内庁がウイルスを撒き、それに感染したものが「個別の11人」として事件を起こしている。
- ウォン暗殺事件にて一課に偽の情報を流したのも内庁。
といったことがわかる。
合田の所属する組織、内閣情報庁戦略影響調査会議などをハッキング。
情報庁は戦前(第4次非核大戦前)からあるいくつかの情報機関と旧防衛局を統合してできた一番新しい組織。
戦略影響調査会議では、国内外の情報収集、分析、自衛軍の活動等について、数々の非合法な情報操作を行っている痕跡が見つかった。
合田は防衛局からヘッドハンティングされた。
荒巻はヘリ暴走事件、プルトニウム移送作戦において情報操作がなされたことに気づく。
内庁(内閣情報庁戦略影響調査会議=合田)←何かある。
政府→その内庁の動きを隠したい(だから9課に圧力)
- 首相暗殺事件の際、最も近くで警護していた9課を捜査から遠ざけている。
- 個別11人の捜査も公式には認めていない。
それらの動きが怪しいと荒巻は睨んでいる。
これまで荒巻は政府や内庁に言われるままに9課を使ってき、メンバーの不満が爆発寸前だった。
しかしここへ来てようやく荒巻が9課長らしくなったことで9課に士気が戻ってきたといえる。
- JNNテレビ義援金不正流出事件
- 難民支援組合爆破事件
- 無償義体を難民に提供していたNPO団体脅迫事件
- 闇義体医師溺死事件
- ネットバンク頭取轢殺事件
- 民生党代議士刺殺事件
- 人気電脳ラッパーDENSETSU射殺事件
- 南陽新聞社脅迫事件
- 茅葺総理暗殺未遂事件
これらは全て合田が撒いたウイルスが発症し、起こったもの。
これらのうち、容疑者が目撃されている時間は「首相暗殺未遂事件」のみだったが、それ以外に一つ容疑者らしき人物が目撃されている事件が。
今までに南陽新聞は難民政策に対する批判的な姿勢から個別の11人により三度社屋に銃弾を撃ち込まれている。
その全ての事件発生時に防犯カメラに映し出されていたのがカワシマ ショウ。
一月ほど前から南陽新聞社近くの料理店「台湾粗食」の調理人として勤め始める。
元自衛官。
荒巻が説明するシーンのパネル左手にある履歴書には「川田修」とある。
これらの情報は軍の協力から。
カワシマを捕らえ、その思想と背後関係に隠された意味を調べる。
バトー、トグサ、サイトウ、パズはカワシマショウの身柄確保。
イシカワ、ボーマは合田の裏を探ると同時に首相暗殺未遂実行犯の検索捜査。
荒巻は個人で動いている。
ここからシーンが目まぐるしく切り替わるので注意。
- トグサ「もしこれが〈笑い男事件〉と同じものだとすると、模倣者たちのオリジナルは中国大使館に立てこもった連中ってことになるのかな?」
「笑い男事件」では、赤の他人がオリジナルをどんどん模倣していくタイプの犯罪だった。
少佐はその現象をStand Alone Complex(個の集合)と名付けた。
今回も同じなら第1話で中国大使館に立てこもった連中がオリジナルとなるが、腑に落ちない点が多い。
- バトー「スタンドアローンタイプの事件では、動機付けとなる媒介者が必ずしもオリジナルではないってことだろ」
「笑い男事件」では、〈動機付けとなる媒介者〉=真似したくなるようなネタ元はオリジナルの葵だった。
後続は皆、自分も「笑い男」になりたいという動機で模倣したから。
しかし、今回は最初の「個別の11人」を後続が模倣しているとは言いがたい。
今回のような一見関係性がありそうでそれぞれが独立している事件(スタンドアローンタイプ)では、動機付けとなる媒介者は、必ずしもオリジナルではないとバトーは考える。
実はこの時点で既に真相に到達している。
本筋と並行して合田についての情報が少しずつ出てくる。
少佐とボーマが首相暗殺未遂事件の検索捜査をしている傍ら、イシカワが合田(内閣情報庁戦略影響調査会議代表補佐官)の卒論を発見。
タイトルは『電脳は社会性を営む上で個性と協調性のどちらを尊重するか プロデューサーとしての立ち位置からの英雄論』(2016年8月30日)
今の社会構造には電脳が個の消失とともに無意識下での協調性を望む傾向にあることを示唆している。それを応用して大衆の無意識を意識的にコントロールするリーダーをシステムの一部として創造するという内容。
実は合田はこの理論をそのまま実践するため、ウイルスを散布し、個別の11人を芽吹かせた。
情報科学、情報倫理、応用情報論などを学び一度民間企業「POSEIDON INDUSTRIAL(旧大日本技研)」に就職。
荒巻は超速道路で久保田(自衛軍統合幕僚会議情報本部長)と面会するため博多へ。
福岡はこの時代の首都。
とはいえ昔ながらの屋台もある。
二人は「例の店」と呼ぶ屋台で密会することに。
人目につかず、ハッキングや盗聴の心配が少ない場所か?
チャンネルW3の「難民問題とテロリズム」について討論する番組に出演している士橋文也(士橋の士は正確には漢字の十の下に一を足したもの)は、急死した陸自のパイロット宅に鍵を使って侵入している。
その際、第3話で捜査中のトグサ、イシカワとアパートですれ違う。
トグサはたまたまこの番組を見ていてそれに気づく。
ちなみに士橋は「個別主義者」。
合田が「面白い」と言っていることから、自然発生的に生まれた思想かと思われる。
同時刻に同じ番組を観ていた合田と部下のやりとり。
- 合田「こういう感染例もあるんだな」
- 部下「はい、あまり警察の品格を下げるわけにもいかないので、いい火付け役かと」
- 合田「そうだな、ところで南洋の事件と首相暗殺事件の感染者の件は?」
- 部下「はい、南陽の感染者の件に関しては既に公安一課を操作してありますのでじきにパージできると思います。首相暗殺を試みた感染者に関しては、PKFで半島に行ったものではないかと。名はクゼヒデオ、感染因子から逆算してたどり着いた回答なので、恐らく当たりです」
- 合田「クゼ君か…」
この会話から分かるのは、
- 合田と内庁が「個別の11人」ウイルスを撒いた。
- ただしそのウイルスに感染したものがどのような行動をとるのか、最終的には本人たちにもわからない。
- いま9課が追っているカワシマも感染者。
例の店(屋台の名前は本島家と思われる)でラーメンをすする2人。
合田は防衛局では存在が薄かった。
カワシマについて公安一課からも問い合わせがあり、ウォン・チューレンという殺し屋がカワシマの顔を盗んで中華街に潜んでいるので顔のデータをくれと言ってきた。
台湾出身の国際的テロリスト。
上からは暗殺命令が出ているが、顔を変えたという情報はない。
- 少佐「うちがハメられているか、一課がハメられているか」
鋭い!ハメられていたのは一課。
バトーは少し前に見つけた車と人物(タチコマに照合をかけさせていた)がやはり怪しいと睨み、タチコマに押さえるよう命令。
しかし彼ら(一課)は既に動いており、ウォン・チューレンを射殺。
駆けつけたバトーが調べたところ、ウォン・チューレンだと思っていた人物は実はカワシマ本人だった。
そもそも9課は一連の「個別の11人」を名乗る犯行グループによる事件を追っており、その中の「南陽新聞社襲撃事件」に関与しているカワシマショウの身柄確保を狙っていた。
それを嗅ぎつけた内庁はカワシマが捕まるとウイルスを解析される恐れがあるためため消したい。
しかし自分たちの手は汚したくない。
そこで捜査一課に偽の情報を流し(合田の部下がそう言っている)、カワシマ=国際指名手配者のウォン・チューレンだとして、暗殺を実行させた。
バトーは、9課がカワシマの身柄確保を狙っているこのタイミングで一課がウォン暗殺に動いたことに不信感を覚える(仮にウォンが本当にカワシマの顔を盗んだウォン本人だったとしても何らかの情報は得られる可能性があるので生かして捕らえたい)。
タッチの差でウォンは一課に射殺される。
駆けつけたバトーの予感は的中し、ウォンと覚しき人物は実はカワシマ本人であり、一課はまんまとカワシマの口封じに荷担してしまった。
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