攻殻機動隊 Stand Alone Complex 2nd GIG 第22話「無人街」解説

基本情報

原作:士郎正宗 士郎正宗 - Wikipedia

放送:2004年1月~2005年1月

公式サイト攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG|日本テレビ

*ネタバレ注意!

福岡で核爆弾発見

九州地下鉄の工事現場で発見された不発弾が、大戦時に使用された戦術核兵器の疑いがあり、九州電波塔周辺30キロ以内の住民を避難。

福岡は首都なので、今の都心で核爆弾が発見されたようなもの。

これも難民のテロではないかという噂が流れる。

荒巻

茅葺のオフィスへ。

内庁が既に情報をコントロールし始めていることをキャッチ。

また、内庁の捜査を総理に打診。

バトー「下手打ちゃまた火の粉を浴びるのは9課ってことになりかねねぇぞ」

SAC1で一度9課が壊滅させられたことを思い出しているのだろう。

少佐の作戦

少佐はボーマとパズに爆弾処理の現場に向かわせ、サイトウを連れて別行動に出る。

バトーには「私の代わりにやってもらいたいことがある」

ボーマとパズは爆弾処理の手伝い、少佐とサイトウは回収班に化けてプルトニウムを回収、バトーは9課が集めた情報から合田に揺さぶりをかける。

茅葺総理の態度

かなり優柔不断。

荒巻はその辺に確実にイラついている。

バトーと合田1

ヘリの中で少佐がバトーに頼んだ件。本当は少佐自身がやりたかったのだろう。

バトー「(前略)模倣者を生み出す為の媒介者の創造、あんたが昔研究していた分野の話だぜ? 元々この社会はこういった事態を生み出しやすい要素を内包してる。人類の歴史は神話や伝説といった類をプログラムした権力者達によって作られてきた訳だからな。そんな世界で誰にも知られず自己顕示欲だけを肥大化させてきた誇大妄想狂が、自分の身の丈以上の英雄をプロデュースしたくなった。個別の11人ってのはそんな犯罪者が作った似非スタンド・アローン・コンプレックスだったんじゃねえのか?」

いきなり核心を突くバトー。

合田「ほう、興味深い話だ」

流す合田。

バトー「ふっ、食えねえ野郎だ。だがお前はやはり二流だな」

爆弾処理のシーン

爆弾は米軍が使っているM-112。

今まで難民が使用していたComposition C-4ではない。

第17話でComposition C-4のことがちらっと出てきたのはここへの伏線らしい。

animesuki.hatenadiary.jp

しかし少佐は気にしない。

なぜならこの後少佐は回収班に化けてプルトニウムを盗み出すから。

それが今回の目的(パズとボーマも知らずに爆弾処理をしているということか)。

バトーと合田2

バトー「俺達は以前スタンド・アローンタイプの天才ハッカーと出会った事があってな。どうしてもそいつの起こした現象とこの事件とを比べちまうのさ。そいつと比べると、どうにもここで自決した連中が大した存在に思えなくなってな。それで個別の11人の外部記憶を調べ、奴等がウイルスによって現れたただの模倣者だって事実を知った訳だ」

合田「ほう」

バトー「奴等はどっかの犯罪者が、恐らくは中国大使館を占拠した連中の名前を上手い事引き継ぐ形で作った思想誘導装置だったって事さ。それでもウイルスをばら撒いた野郎はさぞかし自分を優秀なハッカーだと思ってるんだろうな」

さらに煽るバトー。

合田「そのウイルスを作ったのは私だとでも言いたいのかね?」

ちょっとイラついている。

バトー「そうは言ってねえ」

合田「では私に何を話せと?」

バトー「そういうお前は、連中をどう見てるんだ?」

合田「ふん、いいだろう。君が言う様に個別の11人がウイルスによって現れた者だとして、君の言うスタンドアローンタイプのハッカーとやらと同様、未だ状況を拡大し続けている彼等の方こそ天才、いや英雄と言えなくは無いかね?」

合田が乗ってきた。

自分より上のハッカーがいたと断言され、火がついたよう。

合田は、状況を国家危機にまで拡大させた「個別の11人」の方がアオイ(スタンドアローンタイプのハッカー)より上だと反論する。

バトー「確かに集団自決というパフォーマンスでその意志を広めはした。だが奴等は誰の英雄になった? 国民のか? そんな事はねえ。精々奴等は難民問題が拡大する切っ掛けを作った道化でしかねえ。現に奴等の死なんざ既に忘却の彼方だ」

「個別の11人」は現状の単なるきっかけに過ぎないと否定するバトー。

合田「成る程。だが事の本質が彼等の記憶では無く今の状況を作り出す事であったとするなら、個別の11人をプロデュースした犯人こそは天才的なハッカーだと言えなくは無いかね?」

その「きっかけ」作りこそ本質であり、それが彼らをプロデュースした者(自分のことw)の真意だったとしたらその者(自分ww)こそ天才だと反論。

改めて思うけど、合田って相当人格ヤバいww

バトー「ああ、残念ながらそれは否定出来ねえ。それでも天才かと言われると俺にはいささか疑問が残るね。奴等の思想やウイルスから見えてくる犯人像は、自身の劣等感から抜け出したいという欲望に支配された個別主義者の顔だけだ。所詮個人的な思いつきを他人に強要しているだけでは他人の心を打つ事は出来ねえ。そこには善意でも悪意でもいい、何かしら確固たる信念の様な物が無い限り天才とか英雄と呼ばれる存在には成れねえ」

議題がハッカーの目論見から、彼(合田)個人の資質へとスライド。

合田「信念?」

バトー「そうだ。少なくとも俺はそう思ってる。そしてもう一つ。絶対に必要になってくる最大の要素、運って奴も不可欠だろうな」

合田「ほう。それは何故?」

バトー「決まってんだろ? 天才とか英雄の存在なんて物はつまる所第三者の主観による所が大きい。英雄を英雄たらしめる為には傍観者によるレスポンスがまずは必要なんだ。そしてそのレスポンスの内容が英雄を高みにも上げるし地に貶めもする。それこそは運でしかねえ」

英雄とは主観的な存在ではないというバトーの説。

合田「成る程。面白い仮説だな。それにしても君がこれ程お喋りだったとは知らなかった」

バトー「そいつは褒めてるのか?」

合田「そう取って貰っても結構だ」

バトー「なら褒められついでにもう一つ。この事件の中にある不確定要素についてだ」

合田「ん?」

(ここで一瞬出てくるプルトニウム回収班の二人が少佐とサイトウ)

バトー「あの日、個別の11人の中で唯一自決しなかったクゼヒデオ。奴はその後何処へともなく姿を消し、再び姿を現した時には難民達の指導者になっていた。妙な話だよなあ。こいつは偶然なのか? それとも始めっから仕組まれていた事なのか?」

たぶんここが核心。

合田「他の11人とは真逆の行動に出たのだから、それは不確定な要素なんだろう。だがそれとて結果的には難民排斥に寄与していると取れなくは無い。行動の種類こそ違えど、同一の結論に向けて事態を牽引している事から考えれば犯人は見事、不確定要素までプロデュースしていたという事になるだろう」

結果的にクゼはウイルスのプログラム通りに自殺はしなかった、ただクゼのその後の行動は逆説的に難民排斥に寄与している(クゼが難民を助け、独立を支援すればするほど国民感情は難民排斥に向かうし、政府は排除のため武力行使に出やすくなる)、自分はそこまでプロデュースしてたんだよんwwという合田の強がり。

まあ結果的に合田の思惑通りにはなってるが。

バトー「そう来るか。ま、確かに奴の行動は難民排斥を早めていると言えなくもない。全国ネットで流れた擬装船での逃走劇を更に印象づけた長崎大停電テロ。そして今俺達の真下に仕掛けられている核爆弾。クゼにここ迄やられたら政府も本気にならざるを得んだろう。だがしかし、これをやったのは本当にクゼなのか? 実は奴をプロデュースしている犯人の捏造なんじゃねえのか?ー

またまた核心。

長崎大停電や現在処理中の核爆弾も合田の仕業だとつきつける。

ーもっと言えばそのプロデュースしている犯人は、自分でも気付かないうちにクゼに手を貸し、奴の行動を模倣し始めてると言えなくはないか?」

こここらまた話の流れが変わってくる。

実はクゼをプロデュースしていた合田こそ、ここへ来てクゼの模倣者になったのではないか? というバトーの仮説と煽り。

合田「どういう事だ?」

バトー「クゼはエトロフから出島に戻ったが、その手にプルトニウムは無かった。本来ならその事を難民に告げ、一旦事態を収拾したかった筈だ。なのにプルトニウムを使ったテロまで起きた。ー

プルトニウムを使ったテロとは、地下鉄で見つかった核爆弾のこと。

世論はこれも難民テロと決めつけている節がある。

ーではどうするか。自分をプロデュースしようとする者の思惑に乗ってブラフで宣戦布告するか?だが奴は何もしなかった。今は口を噤み、難民をも黙らせ、事態を逆転出来るチャンスを窺っている。いや寧ろ、口を噤んだ事で状況をコントロール出来るカードを得たのは、もしかしたらクゼの方なんじゃねえのか? 本来不確定要素でしかなかったクゼが実は真の天才、英雄なのだとしたら? いつの間にかプロデュースしていると思っていた奴の方が、いつしかクゼの模倣者に成り下がっちまっていたとは考えられねえか?」

合田は難民と国民および政府の対立を煽ってきた。

そのための「個別の11人」ウイルス。

クゼも感染者であり、プログラム通り動かなかったとはいえ、最終的に合田の目指した方向性に沿って動いてはいる。

ただ、ここへ来てクゼは本気で難民を救済し、政府と戦う意向を示している。

そうなると今度は難民を率いるクゼの行動を合田が模倣(手助け)しているように見えてくる。

この「プロデューサーが模倣者になる」という点が今回の主題っぽいが、かなりわかりにくい。

少佐が電波塔のプルトニウムを回収

少佐は回収班を装い、電波塔の核爆弾からプルトニウムを回収。

イシカワにそれを持たせスプリング8に向かわせる。

そこでこのプルトニウムを解析させ、これが新宿原発と同じものであれば内庁の仕業だと証明できる。

プルトニウムを解析し、それがどこにあったものなのかを証明できるかどうかは分からない(まあ、できるんだろう)。

バトーと合田3

バトー「捏造された思想を信じて自決迄したのに、誰の英雄にもなれなかったあいつらのゴーストは、今頃何処を彷徨っているんだろうな?」

バトー「ゴーダ、俺達もクゼ同様何一つ諦めた訳じゃねえぞ」

合田「そうかね」

バトー「一つ聞き忘れてた。もう発症する事も無えと思うが、ウイルスの発症因子の最後の一つが分からねえ。念の為ワクチンを作っておきたいんだが、お前なら最後の一つは何にする?」

合田「もし私が犯人なら、義体化以前、童貞だったと言う因子を組み込むだろう」

バトー「何だと?」

合田「民衆の為の英雄に殉教する覚悟を求めるならそれは欠かせない要素だ。尤も、それだけの逸材が何人現れるかは賭けだったがね」

バトー「貴様、人が悪いにも程があるぞ」

合田「そうかな? 斯く言う私も童貞でね。君とのお喋りは楽しかったよ。いや、参考になった。感謝する。私の戦いもまだ終わりではない。君達が私を止めるのが先か、私の想いが帰結するのが先か、ここからは不確定要素が鍵を握るだろう。失礼する」

 

最後に合田はもう自分が「個別の11人」のプロデューサーだと白状している。 

合田との戦いはここまでで、ここからは国家クライシスものにクゼの思想を絡めた内容となる。

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原作

攻殻機動隊(1) (ヤングマガジンコミックス)

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BD

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