バジリスク~甲賀忍法帖~ - 第一殺 「十対十」 | ヤンマガWeb
2005年4月~9月
原作:山田風太郎
漫画:せがわまさき(ヤングマガジンアッパーズ/講談社刊)
監督:木崎文智
助監督:西本由紀夫
シリーズ構成:むとうやすゆき
キャラクターデザイン・総作画監督:千葉道徳
プロップデザイン:石野聡
美術監督:池田繁美
色彩監督:飯島孝枝
撮影監督:藤田賢治
編集:三嶋章紀
音響監督:塩屋翼
音楽:中川孝
音楽プロデューサー:藤田純二
音楽制作:フューチャービジョンミュージック
プロデューサー:荒井英昌、難波秀行
アニメーションプロデューサー:柴田和典
アニメーション制作:GONZO
製作:デジタル・アニメ・プロジェクト、GDH
甲賀弦之介:鳥海浩輔
朧:水樹奈々
甲賀弾正:小林清志
伊賀のお幻:京田尚子
若き日の弾正:羽多野渉
若き日のお幻:沢城みゆき
朱絹:渡辺美佐
蛍火:沢城みゆき
お胡夷:木村はるか
陽炎:早水リサ
雨夜陣五郎:魚建
筑摩小四郎:羽多野渉
服部響八郎:杉田智和
服部半蔵:立木文彦
柳生宗矩:若本規夫
徳川家康:大平透
夜叉丸:矢薙直樹
風待将監:千々和竜策
小豆蝋斉:青野武
鵜殿丈助:平勝伊
地虫十兵衛:伊丸岡篤
如月左衛門:上田陽司
霞刑部(少年期):あかいとまと
薬師寺天膳:速水奨
山田風太郎の原作「甲賀忍法帖」(1958年刊行)をかなり忠実に再現したアニメ。
そもそも原作が 漫画チック、アニメチックな内容なので、アニメ作品になっても全く違和感が感じられない。
また、近年のラノベ原作アニメと違い、ストーリーの骨格や人間の描き方がしっかりしているため、世界観にどっぷりとつかってしまう人も多いはず。
ただし、古い作品だからか、読者(視聴者)への負荷がやや強い。
甲賀伊賀合わせて20人の忍者が次々に登場し、ギリギリまで能力を隠しながら争いあうので、時々誰がどちらサイドでどんな能力だったか思い出せなくて置いていかれる場面があった。
前半から中盤でそれぞれの名前と既にわかっている能力、あと人物相関図をきちんと頭に入れておくと後半も楽に見られるだろう。
序盤からエログロ表現を交えた陰惨な殺し合いが続くのだが、その中にも様々な形の愛情が描かれており、胸が苦しくなるような場面や、はらりと泣きそうになるようなシーンも多かった。
あと、第16話の回想シーンはずるい!(凄惨な殺し合いが続く中、いきなりあんなの見せられたら…)
これは原作にはなかったはず。
エログロやダークな雰囲気が苦手な方は途中かなりきつい場面もあると思うが、我慢して最後までぜひ見て欲しい(個人的には、典膳の「伊賀攻め」が結構きつかった)。
以下本作についての余談。
山田風太郎は、グループバトル、能力バトルの元祖であると言われている。
例えば「ジョジョの奇妙な冒険」第3部以降のような、特殊能力を持った者たちが敵チームと味方チームに分かれて、ギリギリまで能力を隠しながら秘術を尽くして戦いあうという物語を初めて書いたのが本作「甲賀忍法帖」だとか。
この説に対して特に反証を目にしたこともないので、おそらく間違ってはいないのだろう。
グループとグループの争いを描くことで、多数のキャラクターを登場させることができ、そこにある人間模様もより複雑に描くことが可能となる。
また、特殊能力者達を登場させることにより、誰がどんな能力を持っているのかというサスペンス要素や、この能力とあの能力ではどちらが強いのかといったワクワク感を演出することができる。
今でこそ当たり前のストーリーだが、これを1958年に書いていたことが驚きである。
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