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攻殻機動隊 Stand Alone Complex 2nd GIG 第23話「橋が落ちる日」解説

https://www.ntv.co.jp/kokaku-s/Ⓒ士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会

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状況

高倉官房長官主導で自衛軍の正式出動を閣議決定。

茅葺総理は慎重論を説くが、米帝から「核の力に任せ難民が独立を勝ち取るような前例を作ってはならない」との連絡も。

高倉の米帝ポチっぷりと内閣での発言権の強さがわかる。

一方9課はプルトニウムを奪い逃走。

自衛軍と内庁は遅れて気づく。

高倉官房長官の目的

米帝主導の安保締結が望みなら、むしろ難民とはこのままにらみ合いを続けた方が、核武装した難民というわかりやすい「敵」への抑止力として安保締結を国民に納得させやすい。

しかし高倉は出島侵攻を急ぐ。

仮に難民を制圧しても事態の泥沼化は避けられないのだが、荒巻はその泥沼化が高倉の目的ではないかと推察。

荒巻は総理に国連への仲介を打診するよう進言。

茅葺はハッとした表情。

総理なのに思いつかなかったのだろうか?

この辺が荒巻が茅葺を嫌っているところだと個人的には思う。

国連介入

荒巻の進言を聞き、茅葺総理は国連に核査察を要請。

二日後に査察団が来日。

そのタイミングでプルトニウムを引き渡せれば、(内庁の陰謀が証明でき)この事態を収束できる可能性がある。

9課のラストミッション
  • プルトニウムを持って国連の核査察団が到着するまで逃げる。
  • クゼを捉える。

 

その二つを同時進行するため出島に入る。

さらに、イシカワにプルトニウムの半分を持たせスプリング8に向かわせる。

老人とクゼ

おそらく荒巻課長の兄、荒巻洋輔(以下、荒巻兄)。

二人は「老祥記」という店でお茶をしながら話す。

お茶の淹れ方は台湾式っぽい。

  • 台湾式お茶の淹れ方

youtu.be

(動画は攻殻機動隊とは無関係)

 

  • 「水は低きに流れ、人の心もまた低きに流れる」

 

クゼの座右の銘か?

ここへ来て新しい価値観を出してくるのは後出し臭い…。

出島に戻ったクゼに難民の多くが結線してきた←PKFの後なのか、プルトニウムを持ち帰ってからなのか分からないが、おそらく前者。

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クゼの回想

ややこしいので箇条書きすると、

 

  • 半島での任務後、システムの中の個人の存在意義を探し求める。
  • 難民の意思を重視し、彼らの望みに助力することだけを唯一の行動原理と決めた。
  • 人は本来、他者の介在があって初めて存在しうるものだということを難民に教えられた

 

全部後出し。

こんな大事なことを今になって取ってつけたように語られても入って来ない…

 

  • 荒巻兄「自分の義務と権利を秤にかけて権利に先に錘りを乗せなくば、社会の規則に従いしも自身を失うことなし」

 

義務と権利を天秤にかけようとするとき、権利を先に乗せようとしなければ(義務を先に乗せれば)、社会の規則に従っていても自分を見失うことはないよという教え。

先に権利を主張する人が多いが、まず義務を果たすことで本当の自己を確立できるということだろう。

この後クゼが「その普遍的な思想がー」と言っていることから、作中では誰かが言った有名な言葉なのだろう。

実際にある故事成語ではなさそう。

 

  • クゼ「その普遍的な思想が、とても口当たりのよいものに感じられました」

 

「まずは権利より義務」という考えをクゼや難民たちは信じていたということか。

しかし…

  • クゼ「しかしその難民も、ひとたびネットを介しヒエラルキーの上層の存在を知ると、そのことを忘れ皆低きに流れていってしまう」

 

「権利よりまず義務」を信じ、慎ましく生活していた難民も、自分たちよりいい生活をしている人(一般市民)の存在を知ると、妬んだり攻撃したりと「低き」(低レベルな思考、行動)に流れていってしまう。

荒巻兄は、そこまで見えているクゼに、なぜここまで事態を引っ張り、革命に突き進むのかと問う。

「権利よりまず義務」が大事なら、クゼの力で難民をそこに押し戻すべきだと言うのだろう。

 

  • クゼ「俺が考える革命はもう少し先にある。今はその革命である上部構造に人々を向かわせるための前段階だと考えています」
  • 荒巻兄「上部構造? それはヒエラルキーとは違うのか?」
  • クゼ「ええ、違います。今この地上を覆い尽くさんとしているネットワークはすでに下部構造と化し、本来の目的を終え、別儀を創造している。そこからは不可分ながら土台たる下部構造に対し、確実に新義ある反作用を及ぼす存在となり、上部構造へとシフトする。それが俺の考える革命の定義です」

 

この革命の明確な内容は第25話でさらに詳しく語られる。

先にかいつまんで説明しておくと、クゼはあえて米帝から核攻撃を受けることにより難民共々肉体を消失させる。

と同時にクゼの電脳に繋がっている難民全てのゴーストをネットでのみ生きる存在とする。

これが上部構造。

下部構造は肉体に宿ったゴーストのことで、この時代の一般人。

難民をこの下部構造から上部構造へとシフトさせるため、核攻撃は必要な受難となる。

とすればクゼにとってプルトニウムは政府に対抗して独立を認めさせるためのものではなく、あえて出島に核攻撃をさせるために必要なカード。

だからプルトニウムがあるかどうかはもはや関係ない。

荒巻兄はその理想よりも現実を見てこの事態を止めることを薦める。

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9課の動き

陸自の長崎大村駐屯地に侵入し、ヘリを奪い出島に向かう。

大村駐屯地は現代にも存在する。

合田の動き

出動命令にないヘリが飛び立ったのを察知。

これもシナリオ通りらしい。

EP-3Cは哨戒機。

出島全体にジャミングをかけ、難民をスタンドアローンにする←難民は政府の工作だと思う。

難民の暴発を促す。

驚くクゼ

少佐がクゼの電脳に「プルトニウムを持って会いに行く」と直接メッセージを届けた。

戦闘開始

電波障害の混乱に乗じてついに自衛軍と難民の間で戦闘が開始される。

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