本記事は完全ネタバレ解説です。
必ず最終話まで視聴してからご覧ください。
「進撃の巨人」の重要人物である始祖ユミルについて考察します。
忙しい人のための超簡単解説。
ユミルとは、
強大な力を持っているにもかかわらず、自由の代償に怯えて引きこもり、自分の代わりに全てを終わらせてくれる人を2000年待ち望んでいた超他力本願引きこもり女子
である。
始祖ユミル関連の重要事項を拾った年表。
BC1168
・ユミルはどこかの部族の民。
それまでは「自由」だった。
・エルディア奴隷となる
エルディア帝国がユミルの村に侵攻し、全員奴隷となる。
ただ、最低限の権利は与えられていた模様。
・豚を逃す
ユミルはエルディアの家畜である豚をわざと逃がして自由にする。
なぜそんなことをしたのか?
ユミルは自由というものに興味があったから。
なお、ユミルが柵を開けて人間の餌であった家畜を解放したのと、エレンが一連の行動で最終的に壁を壊し、巨人の餌であったエルディア人を解放した行為は似ている。これについては後で考察。
・裁判
誰が家畜を逃がしたのか?
奴隷皆がユミルがやったと。
これは正しい。
・ユミル放逐
初代フリッツ王は奴隷でなくなったユミルに「自由」を与える。
その結果人間狩りに遭う。
「自由」を得たから命を狙われた。
つまり、当時のエルディア帝国では「奴隷」であれば命は保証される。
ユミルはここで「自由」の代償を知る。
・ユミル巨人化
人間狩りに遭ったユミルは、命からがらとある木の元にたどりつき、そこで「始祖の巨人」と出会う。
設定だとここでユミルは全未来が見えていたことになるが、最初期の「始祖の巨人」が果たして未来を見る能力があったのかは謎。
ここから先のユミルの行動が全てユミルが見た未来通りかも謎。
・ユミル奴隷に復帰
「始祖の巨人」となったユミルがなぜまた奴隷身分に戻ったのか?
ユミルは「自由」が心底恐かった。いくら強大な力を得たとはいえ、自由になればまたエルディア帝国と争わなければならなくなるし、他国にも狙われたり、政治的に利用され、翻弄させられる。
自由になるくらいなら奴隷として安心して暮らしたかった。
ユミルはこの選択を後悔しているようだが、自分ではどうにもできない。だからどうにかしてくれる人を待っていた。
けっこう他力本願な子。
・フリッツ王の妾に
フリッツ王の妾になる。正妻にはなれなかったようだが、奴隷としては優遇されている方か。
フリッツ王との間にマリア、シーナ、ローゼが生まれる。これが最初の「ユミルの民」?
ちなみに、この時代のエルディア人は巨人にはなれなかったっぽい。
とすれば、後々のエルディア人は全てユミルの子孫ということになる。
BC1155(13年後)
・ユミル、フリッツ王の暗殺を阻止
ユミルはこの瞬間「道」に到達した。
本来ならユミルはここでは死なないのだが、魂(?)は肉体に戻らず「道」に居続けることを選択。
そこから2000年ユミルは「道」に存在。
ここで「ユミルの呪い」が発動し、後巨人を継承する者は13年で死ぬこととなる。つまり、ユミルが新しいルールを作ったということになる。
後に「不戦の契り」もできたりするので、ユミルは巨人関連のルールも作れるらしい。
・ユミルの愛情
ユミルはフリッツ王を愛していた。ただ、その愛情はひたすら受け身で献身的。
ユミルは本当はフリッツ王の正妻になりたかったし、他国の侵略や殺戮もやめてほしかった。しかし、愛情故に対立し、戦うという選択肢はユミルにはなかった。
だからユミルはフリッツ王の暴虐=巨人の力の行使を止めてくれる人をずっと待ていた。それがミカサ。
ユミルは愛情と力を両方持ち合わせているミカサを尊敬し、憧れていたよう。
・この年から第一話845年までが2000年
ユミルは「道」に到達してから、「始祖の巨人」の力で2000年後にミカサが現れることを知り、ずっと待っていた。
余談だが、「道」は現実世界よりも時間の感覚が長い。なので実質は2000年どろこではなく数万年に近い。
BC350
・エルディア、マーレに侵攻
エルディアは巨人を味方にしてから800年ほどわりと大人しくしていたのか?
ユミル直系の子孫が十分増えるのを待っていた?
巨人の力を十分理解するのに800年かかった?
・他大陸のほとんどがエルディア支配下に
マーレの恨みはこのへんから来ている。
BC0
・フリッツ系とユミル系双方の王が即位
ユミル系は後レイス王と名乗る。
フリッツ系は途絶える。
個人的にはユミル系がフリッツ系を根絶やしにしたと思う(本編では語られていない)。
738年
145代カール・フリッツ、始祖の巨人を継承
巨人大戦勃発。
・743年
カールフリッツ、エルディア人と共にパラディ島へ移住、三重の壁を築く。
ユミルと王家において「不戦の契り」を締結。
壁内エルディア人の記憶を改竄。
争いを終わらせたかったユミルは、「不戦の契り」を喜んで受け入れたはず。
ただ、相変わらず王家の奴隷のまま「道」に住み、せっせと巨人を創り続けている。
・835年
ミカサ、エレン、アルミン生誕。
ユミルからすれば「やっと全てを終わらせてくれる子が生まれた」という感じか。
そこからずっとユミルを観察していた。
・854年
「天と地の戦い」終結。
ユミルはこの世から巨人が駆逐され、巨人による争いがなくなったことに安心して消滅。
ユミル、家畜を解放
ユミルは家畜である豚を囲っている柵をあえて開き、解放した。
そのことで糾弾され、命を狙われた。
エレン、エルディア人を解放
第1巻でエレンは、壁の中でただ生きているだけの状態を「家畜」と呼び、非難する。
つまり、エルディア人=家畜。
後にエレンは「地鳴らし」を決行し、壁の巨人と共に家畜であったエルディア人を解放。
そのことでユミルと同じように命を狙われた。
自由に耐えられなかったユミル
ユミルはフリッツ王から「自由」を与えられたが、エルディアが持つ「殺す自由」に耐えられなかった。
そして、巨人化してからもエルディアに奴隷として服従した。
自由に耐えたエレン
エレンは自ら自由を選択し、元仲間や壁外人類の「殺す自由」も受け入れた。
その結果ミカサに殺されるが、巨人を駆逐することに成功した。