本記事は完全ネタバレ解説です。
ご注意ください。
二人は異母兄弟。
父親はグリシャ。
初対面だがジークはエレンのことを知っている。
①打たれた人間は「無垢の巨人」となる。
②その巨人に知性のある巨人=「9つの巨人」の本体を喰わせる。
③すると注射を打たれて「無垢の巨人」となった者に「9つの巨人」の能力が継承される。
④「9つの巨人」を継承した者は人間に戻れる。しかしそこから余命13年となる。
問題はいつ、誰に使うのか?
注射器は一本のみ。
使用権はリヴァイが持つ。
ライナーはハンジが捕獲。
ハンジは殺そうとするがジャンは「鎧の巨人」の力を奪うことを提案。
というのは建前で、本音は恐らく同期としての憐憫の情。
それはジャン自身も自覚している様子。
ハンジは巨人の力を恐れて即時処刑を決行しようとするが、状況を一旦確認。
ライナーの処遇を迷っている隙に、「車力の巨人」によって強奪された。
ジャンは自分が同期の情で処刑を止めたことに後悔。
この辺の心情も後に効いてくる。
本作の主題である「選択」。
アルミンを生かすか、エルヴィンを生かすか。
どちらかに注射を打って巨人化させ、ベルトルトを喰わせる。
打たなかった方は死ぬ。
個人的にはアルミンとエルヴィンは陰と陽、表と裏だと考えるが、こういったシーンを構築しているところを考えるとあながち間違っていないと思われる。
リヴァイは「私情を捨てろ」と言うが、リヴァイ自身すぐにアルミンに注射を打とうとしなかったのは、エルヴィンがもし生きていたらエルヴィンに打ちたいという私情を持っていた証拠。
エレンにそれを見透かされても動じないのがリヴァイらしい。
エレン
アルミンが瀕死だから注射を打とうと提言し、リヴァイがそれに応じた(ように見えた)。
だからアルミンに打つべき。
アルミンはこれまで何度も窮地を救ってきた。
ミカサ
アルミンは友達だからアルミンに打たせたい。
リヴァイ
建前上、調査兵団団長であるエルヴィンに打つべき。
本音は友人だから。
特攻から生き残ったフロックは、エルヴィンにとどめを刺そうとした。
しかし、ここで楽にしてあげるより、生き残ってさらなる地獄を見てもらわないと彼の作戦で死んでいった仲間が浮かばれないと感じ、エルヴィンを担いでリヴァイの元へ。
エルヴィンは生き伸びることで、より苦難と苦悩を受け続ける。
フロックはある種の恨みからそれを遂行しようとした。
しかし、リヴァイはその残酷さに気づき、はっとする。
自分も、そして全ての兵士が大切な人と別れを告げてきた。
アルミンだけが特別じゃない。
その当たり前のことを諭されてミカサはようやく納得。
たぶん女性同士だから分かりあえたのだろう
リヴァイはエルヴィンに注射を打ち、ベルトルトを喰わせて「超大型巨人」を継承させようとする。
そこへ様々な想いが去来する。
それらをまとめると、
・エルヴィンの夢
父親の仮説を立証
・ケニーの発言
「何かに酔っ払ってねえとやってられなかったんだなぁ」
・アルミンの夢
海が見たい
それぞれがそれぞれの夢に生きてきた。
人は夢を見ることで強く生きられる。
リヴァイはアルミンに注射を打つ。
表向きの理由はエルヴィンを許し、楽にさせたいから。
裏の理由は、エルヴィンのように強い夢を持つアルミンを生かし、これから起こる更なる地獄を戦わせること。
エルヴィンの夢は一度自分が諦めさせ、本人もそれに納得したので、生き延びてもそれが続くかどうか分からない。
だったらアルミンの強い夢に賭けた方がいい。
アルミンの注射を打ち、「無垢の巨人」化。
そこにベルトルトが。
「無垢の巨人」はほとんど知性がないが、本能的に目の前の人間を食べる。
アルミンはベルトルトを捕食し、「超大型巨人」を継承。
そして人間に戻る。
余談だが、ジークはこの瞬間までどこかで待っていれば「無垢の巨人」になったアルミンを操って、ベルトルトの捕食をやめさせ、調査兵団を襲わせることもできた。
キャラクター引用サイト:https://shingeki.tv/season2/
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
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