本記事は完全ネタバレ解説です。
全話通してのネタバレが掲載されています。
必ず全話視聴後にお読みください。
エルディア復権派スパイ「フクロウ」であるエレン・クルーガーが「進撃の巨人」化して「楽園送り」遂行部隊を殲滅。
本作の象徴。
重要なシーンでよく登場するが、象徴なので伏線とかではない。
数には意味があるのかもしれない。
マーレではマーレ人を証明するために血液検査が必要らしい。
エルディア人は特殊な血液をしているのだろう。
エレン・クルーガーの調子が悪そうなのは、恐らく寿命が近いから。
「9つの巨人」を継承すると寿命が13年となる。
また、エルディア人でありながらなぜ同胞に拷問をしたり、楽園送りにしてきたのかという問いにもちゃんと答えない。
これは「進撃の巨人」の能力に由来する。
「進撃の巨人」継承者は、未来の継承者の記憶を見ることができる。
エレン・クルーガーは次の継承者であるグリシャの記憶を見た。
そこでグリシャの妹が惨殺されたり、エルディア復権派に入ったり、ダイナと結婚してジークを生み、ジークに裏切られるといった記憶を見て、その通りになるように進めていったのだろう。
また、そうすることで「進撃の巨人」がエレン(イエーガー)に継承され、最終的に「地ならし」が発動するというところまで見えている。
そのためにはエルディア人を拷問し、楽園送りにする必要があった(そうしないと未来が変わるから)。
作中の現代に戻り、エレン(イエーガー)がグリシャの記憶をたどりながらアルミンに説明。
重要なのは「進撃の巨人」を継承したエレンの寿命が残り8年未満、「超大型巨人」を継承したアルミンの寿命が残り13年ということ。
これを伝えるためのシーン。
「9つの巨人」継承者が力を継承することなく死んだ場合、巨人の力はそれ以降に誕生するユミルの民の赤子に突如として継承される。
これは今まで全く触れられてこなかったルール。
恐らくマーレ当局はこれを知っていた。
そして、突然ユミルの民に「9つの巨人」の力が継承され、その者が反乱を起こさないよう、マーレ当局がその継承をコントロールしようとした。
今後重要となる概念。
「始祖の巨人」はこの「道」を通してユミルの民と通じ合える。
グリシャが「無垢の巨人」を操る際、この「道」を通じて命令している。
ライナーが言っていたのがこれ。
「始祖の巨人」継承者はこの座標を手に入れたことになる。
つまり、全ユミルの民、全巨人をコントロールできる。
マーレは巨人の力がまだ有効なうちにこれを手中に収め、世界に覇をとなえたい。
そのための「始祖奪還作戦」だった。
ジークは「道」を通じて「無垢の巨人」に命令できる。
しかし、ジークは「獣の巨人」継承者。
では「獣の巨人」も「座標」を持っているのかというと、たぶん違う。
ジークはエルディアの王家の血(母方、フリッツ王の血筋)を引いているので、先天的に「座標」を持っていると考えられる。
そこに「獣の巨人」を継承したことでその力がブーストされたのかもしれない。
今後明かされるので今知らなくてもOK。
ダイナは王家の血を引いているので、「座標」を使える。
その子供ジークも「座標」を使える。
マーレからすると、「始祖の巨人」ほどでなくても、「座標」を使える人間は多い方がいい。
ダイナの子供が自動的に「座標」操作能力があるということが分かれば(既に分かっているのかも)、マーレはダイナを捉え、できるだけ多く子を産ませて「座標」能力を持った戦士として利用するだろう。
それを想像するとダイナは本人にとってもエルディア復権派にとっても死んだ方が幸せだとエレン・クルーガーは判断した。
エレン・クルーガーがグリシャを「進撃の巨人」継承者に選んだ理由は、グリシャが壁の外に出たから。
つまり、グリシャの好奇心やルールを度外視する度胸を買ったということ。
この好奇心はエレン(グリシャの子供)に引き継がれている。
ここでタイトル回収。
そもそも人類の敵である巨人と戦う作品なのに「進撃の巨人」という、なんか巨人側に寄り添っているタイトルの意味がようやく理解できるようになった。
また、「地ならし」で文字通り巨人たちが進撃していくというラストへの伏線も発動。
エレンとミカサは上官に楯突いた軍規違反で懲罰房に入れられていた。
とはいえ軍功も上げたので懲罰は解除。
ユミルはマーレに渡った。
恐らく当局に監禁されているのだろうが、「顎の巨人」継承者なので無闇には殺されない。
手紙を書く自由はたぶんないが、ライナーの情けで書かせてもらっている。
「私はこれから死ぬ」
近いうちに次の継承者に喰われるという意味だろう。
ヒストリアはユミルの記憶を見た。
王位を継承したことでレイス一族の持つ力が強くなったのか?
ユミルの記憶自体はそこまで重要ではないが、これはこの先エレンと接触するときの複線。
調査兵団の得たグリシャの手記や写真を軍で共有。
これらはまだ公開はしない。
いつの間にか調査兵団団長に就任していた。
この辺をさらっと流すのが諫山流。
グリシャの手記により、壁内人類の敵は巨人ではなく世界であることが分かった。
ここからエルディア人は世界、主にマーレと戦う展開に突入する。
今後の最重要キーワード。
ここでしっかり理解しておかないとついていけない。
「地ならし」
壁の中の何千何万の巨人を操って世界を行進させ、踏み潰して滅ぼすこと。
「始祖の巨人」+レイス家の血筋で理論上それが可能。
また、この「地ならし」がパラディ島攻撃への抑止力となっている。
だからマーレは正面から戦争をしかけるのではなく、隠密裏に「始祖奪還作戦」を遂行した。
この「地ならし」がエルディア人と壁内人類の世界への抑止力となっている。
「不戦の契り」
二度と始祖の力を使って戦争を起こさないという契り。
カール・フリッツと始祖ユミルの間で交わされた。
これにより王家の血を引く者が「始祖の巨人」を継承しても「地ならし」は発動できないし、その他巨人を使って争いを起こすことができない。
これまでパラディ島には「無垢の巨人」がうじゃうじゃいたが、彼らを使ってマーレを攻撃したりもできないのだろう。
たぶんマーレもそれを知っていて「楽園送り」を続けてきた。
エルディアの王家はこの「地ならし」を抑止力にし、「何かあったらやるぞ!」と脅しつつ、その脅しが効いている間のみ壁内が平和であればいいという考え。
それはマーレに残されたエルディア復権派も熟知し、危機感を募らせていた。
その急先鋒にいるのがグリシャ。
マーレは巨人の力がまだ有効なうちに「始祖の巨人」のを手中にし、「地ならし」の抑止力あるいは実行力で世界の覇権を握りたい。
また、エルディアを完全に支配することでパラディ島に眠る資源を独占したい考え。
エルディア復権派は当然エルディア人側ではあるが、王家が享受しているつかの間の安寧には反対。
「地ならし」を抑止力ではなく実行力として持ち、再び世界と戦える強いエルディアを再建したい。
そのためには現王政は邪魔だし、「始祖の巨人」は王家から奪う必要がある。
エルディア復権派、マーレ、いずれから見ても「始祖の巨人」が王家に継承されていてはらちが明かない。
そのため、それぞれの「始祖奪還計画」を遂行した。
マーレ側の計画はSeason4で詳しく描かれる。
エレン・クルーガーから「進撃の巨人」を継承したグリシャは、なんとか壁内にまぎれこむ。
この時点でグリシャは自分とエレン(子供)の分の未来が見えていた。
グリシャはその未来をなぞるように生きていったと推察される。
シャーディスとの出会い、カルラとの結婚、エレンが生まれること、巨人の急襲、レイス家から「始祖の巨人」を奪うこと、それをエレンに継承させること、そのエレンの未来……
そしてその未来通りにグリシャはエレンに「進撃の巨人」と「始祖の巨人」を継承させた。
会議中エレンは突然立ち上がる。
グリシャの手記からダイナと自分がパンチした巨人が同じであると知った。
そして、ダイナは王家の血を引いているので、王家の血筋と自分が接触することで「道」からユミルの民(エルディア人)に命令が送れるということをここで知った。
ただ、エレンはまだ王家の血筋の者を巨人にして自分と接触させることで能力が発動すると勘違いしている。
クルーガーは「進撃の巨人」の能力である未来の継承者の記憶を頼りに話している。
だからこれからグリシャがとる行動や、まだ生まれていないエレン(子供)のことも知っている。
エレンが記憶しているミカサやアルミンのことも知っている。
キャラクター引用サイト:https://shingeki.tv/season2/
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
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