本記事は完全ネタバレ解説です。
ご注意ください。
これまでの総括。
グリシャの手記により、敵は巨人ではなく世界であると分かった。
しかし、それを公表すれば人民は大混乱に陥る。
一方で、これまでの生活を続けていくことは歴代レイス王が行ってきた洗脳と同じ。
それでは革命の大義が薄れる。
結局公表することに。
新聞社員と、リヴァイ、ハンジが面会。
リヴァイとハンジが軍服でないことからプライベートであると分かる。
密談か?
これまで壁内人類は巨人を敵視し、この世から駆逐しようと戦ってきた。
今自分達こそが巨人であったことを知り、さらに世界が自分達を適し、駆逐しようとしていることも知った。
軍功を挙げた軍人に対し勲章が授与される。
主にシガンシナ区奪還作戦で活躍した兵士が対象らしい。
元憲兵団所属。
マルロと仲が良かった。
マルロは獣の巨人への特攻で戦死。
特攻の生き残り。
今後マーレ編でも登場するので覚えておきたい。
どうやら戦闘に関して表向きの発表と現場の様子が違っているらしい。
それについてフロックは腹に据えかねているよう。
また、フロックは今で注射をエルヴィンではなくアルミンに打ったことを根に持っている。
理由はエルヴィンへの忠誠や経緯ではなく、無数の兵士を死に追いやってきたエルヴィンを休ませたくない、もっと地獄を見てほしいから。
ただ、エルヴィンにはその地獄に耐えられる精神力があることも知っている。
この辺の鬱屈した感情が後半で効いてくる。
フロックはリアリストで皆に現実を突きつけるが、その現実は人を逡巡させ、停滞を促し、前に進む力にはならない。
作者は恐らくエルヴィンとアルミンを対のキャラクターとして最初から配置してきた。
二人に共通しているのは夢を見る力と、その夢で人を動かすことができるというところ。
調査兵団はエルヴィンの夢で、エレンはアルミンの夢で動いてきた。
リアリストのフロックにはここが分からない。
リヴァイはなんとなく分かっている節がある。
エレンはずっと壁の外を夢見てきたアルミンを励まそうとするが、グリシャの記憶を思い出して言葉をつまらせる。
エレンは夢の先に絶望しかないことを既に知っている。
これはマーレ編で闇堕ちしていくエレンへの伏線。
エレンは壁の外について、グリシャの記憶から誰よりもリアルに”体感”した。
そして、そこにこれまで以上の地獄が待っていることも知っている。
現状、それを打破する策も力もまだ自分にはないし、壁内人類にもない。
文明ではとうてい及ばないし、巨人の力はエレンとアルミン二人しか持っていない。
敵は残り七体の巨人能力を保有している(アニは凍結中)。
頼みの綱の「始祖の巨人」は王家の血筋ではないエレンでは能力の発動条件が不明。
かといって王家に戻しても「不戦の契り」で発動できない。
エレンはヒストリアと接触することにより一瞬「始祖の巨人」の力が発動。
グリシャの記憶から、フリーダの様子が見えた。
そのときのフリーダの覚悟を決めた表情がこちら。
この時点でフリーダは「始祖の巨人」を継承している。
ということは、全継承者の記憶を見ることができる。
最後のコマでフリーダの瞳が輝いているのは恐らく記憶を見ている証拠。
ではフリーダは何を見たのか?
ここでグリシャの願いを断り、巨人化してグリシャと戦い、敗れることで「始祖の巨人」がグリシャ→エレンと継承される、そしてエレンが最終的に「地ならし」を発動するというところまで見えた。
だから自分は壁を守るために戦うのではなく、ここでグリシャと争って「始祖の巨人」を渡すという選択をした。
エレンはグリシャが無理矢理レイス一家を襲って自分の計画のために「始祖の巨人」を奪ったと思っていたが、実は逆で、今までの流れはフリーダが受け入れたことで必然的に起こった出来事だと知った。
また、ヒストリアとの接触で自分が「地ならし」を起こす未来も見た。
そして驚愕の表情。
冬を越え、春を迎える頃にはウォール・マリア内から「無垢の巨人」を掃討したらしい。
巨人は同胞のエルディア人であると知った後にどういう気持ちで巨人を殺していったのかは描かれない。
そこは今後の展開からすると些末なことでしかない。
ウォール・マリア内に巨人がいなくなったので、公共事業なども再開された。
雇用が生まれ、農業なども再開されて経済が活発化し、食料問題もやがて解消されていくだろう。
避難民はトロスト区に戻り始める。
調査兵団はほぼ1年で「無垢の巨人」を淘汰したので、ウォール・マリア外にすら巨人は見なくなった。
エレンの表情からは子供っぽさが消え、憂いが感じられる。
声の感じも変わっている。
勲章授与式でヒストリアと接触し、未来を見てから約1年で人が変わった。
これはマーレ編への伏線。
本作の象徴。
状態からどうやら赤ちゃんのまま「楽園送り」にされたらしい。
諫山先生の狂気がさらっと爆発している。
全員驚いて口を開けているが、エレンだけは無表情なところに注目。
エレンはグリシャの記憶で既に海を見ている。
エレンだけは海の先の敵を見ている。
これから起こることを彼だけは全て知っているのではしゃげない。
キャラクター引用サイト:https://shingeki.tv/season2/
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
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