甘城ブリリアントパーク | 特設ページ | ファンタジア文庫
2014年10月~12月
原作:賀東招二(KADOKAWA/富士見ファンタジア文庫刊)
原作イラスト:なかじまゆか
監督:武本康弘
シリーズ構成:志茂文彦
キャラクターデザイン:門脇未来
音楽:光宗信吉
アニメーション制作:京都アニメーション
可児江西也:内山昂輝
千斗いすず:加隈亜衣
ラティファ・フルーランザ:藤井ゆきよ
モッフル:川澄綾子
マカロン:白石涼子
ティラミー:野中藍
ミュース:相坂優歌
シルフィー:黒沢ともよ
コボリー:三上枝織
サーラマ:津田美波
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リアルタイムで見ていた時は途中でやめたのだが、改めて最初から見ると何故やめたのかはっきり理解した。
経営難に陥ったテーマパークの再生が物語の主軸。
ゴール(パーク存続の条件)がはっきりと定められており、そこに向かって毎回カウントダウンされていくので、視聴者の期待は自然と高まる。
こういった、最初からゴールが見えているシンプルなプロットは、物語がスピードに乗りやすい一方、そのスピード感に阻まれて世界観を膨らませづらいという欠点がある。
ゴールがはっきりしている分、そこからほんのちょっとでも脇道にそれると一気に停滞感が噴出し、視聴者をイラつかせてしまう。
実際、途中でテーマパークの存続という目的とは全く関係のない話が何度か挿入されイライラした。
また、主人公可児江やラティファの過去に何度も触れようとするも、やはりプロットの勢いに弾かれてうまく挿入できずに終わった感があった。
その他露出の多い萌えキャラ、着ぐるみたち、主人公のクラスメイトなどなどもプロットにうまく絡められていなかった気がする。
脇役最重要キャラである千斗いすずも、萌え衣装とツッコミ以外ほとんど記憶にない(可児江を見つけてきたのは彼女だが、その過程も極端に省略されている)。
このキャラがいなければ主人公は成長できず、結果ゴールに到達することができなかったということが、本作には全くと言っていいほど見当たらないのである。
もちろん、サブキャラの手助けはあるが。
その原因は、プロットのほかにもう一つ、主人公の人物像にあるのだろう。
主人公可児江は眉目秀麗で頭も切れるいわゆる俺TUEE系の一種。
しかも魔法で相手の心を読むという特殊能力まで獲得している。
だから困難が生まれても彼一人の力で簡単に解決策を導き出せる。
その結果、人間ドラマはどこか甘くなり(なくはないが、決定的なぶつかり合いや決裂は見られなかった)、描く内容が減るので、物語はゴールに向かってどんどんと進んでいってしまう。
だからつじつま合わせに新たなキャラを出し、余計なサイドストーリーを入れなければいけなかったのだろう。
最後の最後でようやく可児江にもどうしようもないピンチを迎えるのだが、これまでの展開からか「どうせなんとかするんだろ」程度にしか思えず、全くハラハラドキドキできなかった。
そしてラストは「人と人とのつながりが成功を導く」というありきたりな着地でがっかり。
ここで終わっていれば、まあよくあるラノベ程度の感想しか持たなかっただろう。
本作に決定的な不満を抱いたのは、ラスト第13話。
いったいなぜこの話を作ったのかさっぱりわからない。
上記のようなグダグダ感を確認したい人は本編をどうぞ。
甘城ブリリアントパーク1<甘城ブリリアントパーク> (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 賀東招二
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 富士見書房
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