*ネタバレ注意
長崎の出島に難民が流入しており、一斉蜂起の噂が出回っている。
政府は各省庁トップを集め対策会議を行うが、前に進まない。
- ハブ電脳
ネットワーク上で孤立した意思を、あるホストが方向性を定義付け、自らの電脳に招き入れることである種の共同体を築くという現象。
これまでは小さなクラスタしかなかったが、難民の中に大きな力を持った者が出現した←これがクゼ。
世界で唯一放射能粉塵除去技術を有する我が国が、核の抑止力に任せてきた米帝と対等、あるいはそれ以上の立場になり、真に自立することに意味がある。
おさらい。
通称日本の奇跡。
旧大日本技研、現ポセイドン・インダストリアルが持つ技術。
合田がプロデュースした。
国防族議員の中に、日米安保に絡み、旧大日本技研(現ポセイドン・インダストリアル)と癒着している者がいる。←これを聞いた瞬間、一瞬荒巻は呆れたような顔で「ん?」と言い、またすぐ元のシリアスな顔に戻るのはなぜか?
茅葺総理はポセイドン・インダストリアルの持つ放射能粉塵除去技術で米帝と対等な安保を締結しようとしている。
政権内の国防族議員で茅葺総理よりもポセイドンと太いパイプを持つ者が最初からいた。
その者からすれば政策に協力するという名目でポセイドンと癒着を強めることができる。
なぜなら総理の政策にポセイドンの協力は不可欠だから。
茅葺総理は自らの政策で癒着を招いたということになるが、そこには気付かず腐敗を嘆いているので、荒巻からすれば「バカかこいつは?」と一瞬思ったのだろう。
少佐にもそれが伝わったので、次の皮肉となった。
- 少佐「もっと早く気づくべきだったわ」
- 荒巻「ん?」
- 少佐「茅葺総理って、課長の好みのタイプそのものよね?」
- 荒巻「なんだ、今頃気づいたのか?」
- 少佐「課長には負けるわ」
これはそのまま捉えるべきではない。
まず、少佐は皮肉屋だから思ったことをことをそのまま言わないし、仕事一筋の荒巻が茅葺総理がタイプというだけでオフィスに通っていたとは到底考えられない。
少佐は先述した総理との面会のシーンで、荒巻が茅葺の政治家としての資質の低さや視野の狭さに心底呆れたのが分かったから、あえて皮肉として「茅葺総理って課長の好みのタイプそのものよね?」と言った。
荒巻が怒るかと思ったら予想に反して「なんだ、今頃気づいたのか」と返ってきたので、呆れて「課長には負けるわ」と言ったのだと思う。
親米帝、新保守の国防族議員。
米帝盲信主義を捨てきれない軍産複合の最古参。要は古いタイプの政治家。
内閣情報庁のトップでもある(後に合田とはスタンドアローンの関係だとわかる)。
ポセイドン・インダストリアルとズブズブ。
ポセイドンの持つ放射能粉塵除去技術を米帝にアピール。
米帝からすれば、放射能粉塵除去技術を持つことで核攻撃のハードルが下がる(核は撃つけどあとで放射能は取り除いてあげるからwとか言えばOK)。
そうして米帝の軍事力が上がることでそのパートナーである日本も核の傘下に入り、抑止力が上がる。
古参の高倉は20世紀的日米安保の今日的解釈を遂行しているかたちとなる。
この時代からすればものすげー古い考え方なのだろう。
双方とも親米帝ではあるが、
茅葺総理←あくまで米帝と対等以上の関係を目指す。
高倉官房長官←米帝のポチになることで抑止力を高める。
ポセイドン・インダストリアルの持つ放射能粉塵除去技術は、大戦終結により一度商品価値がなくなった。
その放射能粉塵除去技術を持って新たに日米安保を締結することで、贈収賄成立。
ポセイドン←自社の技術の商品価値が上がる。
高倉←自身の政治的理念を遂行できる。
高倉は内庁のトップも兼任、合田はその内庁のリーダー的立ち位置。
合田の引き起こした難民問題と日米安保がここへきてつながってきた。
ちなみに、合田は日米安保のために動いていたわけではなく、高倉は合田に安保締結のための工作としてウイルス作成を指示はしていない。
- 少佐「彼女の復讐、乗ってみる価値ありそうね」
復讐とは、政策を散々邪魔してきた高倉に対するものだろう。
少なくとも少佐は私怨と捉えているよう。
「乗ってみる」という台詞の後に高速に乗るシーンを挿入し、今後の9課の動きを示唆している演出が上手い。
クゼについてのブリーフィング。
資料映像などはおそらくイシカワが集めてきたのだろう。
当事者しか見られないような映像があるが、おそらくインターセプターから記録されたものを見つけてきたと思われる。
2024年終結。
米帝が内戦の続く(朝鮮)半島に国連軍派遣を呼びかける。
半島の内戦は、人民軍も関わっていたらしい。
→自衛軍派遣。
このとき日本は戦争特需に沸いていたらしい。
第二次大戦から朝鮮戦争の流れと近しいのか?
派遣先は比較的安全とされた「シンギ州」に決定。
世論は大騒ぎしたが、報道統制に暗躍したのが今の内庁の前身、内閣報道庁。
一瞬映った地図からすると、現北朝鮮と中国の国境あたりの地区。
特別行政区で貿易の拠点だった。
シンギ州から東へ20キロほどの農村地帯を、(半島)統一政府樹立後敗走した人民軍の残党が最後の戦地とした。
PKF仕様のハイブリッド義体化歩兵部隊。
到着早々、ゲリラ討伐隊として二個中隊で出陣。
本体はゲリラの襲撃を想定しシンギ州に残り、クゼのいた部隊は北から回り込んで敵を先制攻撃。
クゼのいた部隊は地図にも載ってない難民キャンプを発見。
そこでは人民軍の残党が略奪や虐殺をしていた。
義憤にかられ戦闘を開始。
人民軍残党を制圧。
戦闘はこの一回きり。
複数の兵士がPTSDを発症。
アルコールや大麻に溺れる者も。
その状態がマスコミに漏れ、叩かれる。
報道統制から兵士の自由は制限され、帰国も許可されなくなる。
その後、前述の虐殺のあったことが発見され、それが日本軍によるものではないかというデマが流れ、現地住民たちは憤慨する。
クゼは任務を捨てると、難民キャンプへと入っていった。
この難民キャンプは虐殺があったキャンプではなく、シンギ州にあるもの。
軍人がこんな勝手な行動を取れるのか疑問。
その後クゼはなぜか難民の人気者となる。
人民軍が投降し、自衛軍の任が解かれた3ヶ月後までクゼと難民の交流は続き、自衛軍帰国前日、クゼはキャンプから忽然と姿を消す。
この辺の流れがかなりゆるいのが気になる。
その後、台湾の難民キャンプに出没。
そこでも人気者だったらしい(次回で少佐が現地調査に赴く)。
現在、クゼが出島にいることを内庁が確認。
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