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嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい 第1期全話感想

公式動画

なし

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放送
不明
Amazon primeで視聴可
制作:スタッフ

原作・監修 - 40原

プロデュース・脚本 - 佐藤郁雄

監督 - 深瀬沙哉

キャラクターデザイン・総作画監督 - はっかく

絵コンテ・演出 - 渡邊奈々、石橋明日香、高山翠

音響監督 - 納谷僚介

音響効果 - 今野康之

アニメーション制作 - UWAN PICTURES

制作 - とらのあな

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主要人物:声優

伊東ちとせ:石上静香

yuina:長野佑紀

高山マリア:秦佐和子

出雲いおり:赤﨑千夏

棚橋美鈴:古賀葵

瀬賀あいり:佳村はるか

ED「NEXT STAGE」 津田朱里
NEXT STAGE

NEXT STAGE

  • F.I.X.RECORDS
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感想

内容はタイトル通りでそれ以上でも以下でもない。

100% Japanese Hentai Animeです。

苦笑いしながら観ていたが、意外と発見が多かった。

まずタイトル。

作者は恐らく、内容に嫌悪感を抱く人がいると十分理解しており、うっかり視聴を回避するためにこのストレートなタイトルにしたのではないかと思う。

まさかこのタイトルにラブロマンスや冒険ファンタジーを期待する人はいないだろう……。

あるいは『こういう作品じゃ!嫌なら観るな!』というメッセージなのかもしれない。

 

さて、内容だが、「嫌な顔されながらパンツを見せてくれる」という下らなさに目を瞑れば、厳密なルールの中での想像力の発揮という意味で、漢詩や和歌、その他古典芸能のような趣向さえ感じられた。

本作では、以下の厳密な規定が存在する。

 

  • 視点

  主人公の主観。

  • 台詞

  女性キャラのみ発言可。男性キャラは不可。

  • 登場人物

  女性キャラ一人のみ。男性キャラは存在するが写らない。

  • 場面

  設定を説明するための情景描写→主人公と女性キャラの対面シーン。

  • 人物の感情描写

  男性キャラへの好意、尊敬→「パンツ見せて」→男性キャラへの嫌悪。

  • プロット

  男性キャラの要望で必ずパンツを見せる。

 

各話これだけのルールが厳格に守られており、そのルールを遵守しながらどれだけ趣向を凝らせられるかが作品の見せ所となっている。

自らの作品をここまで厳格に縛り上げた上で創作されたアニメは他に類を知らない。

 

 

普通ここまでの厳格なルールは、創作者を甘やかせてしまう。

型が堅牢なため、あとはそこに人物と台詞を当てはめればまがりなりにも完成となるからだ。

だがそうするとどうなるか?

人物は血が通わなくなり何人出てきても同じに見え、シチュエーションやコスチューム、罵倒台詞はそれ自体が記号と化してしまう。

しかし、本作はそうはなっていない。

全6話6人の女性キャラが登場するのだが、それぞれにしっかりと血が通っていて、人物像、背景、歴史、そして主人公との関係性やそれぞれの感情における主人公への嫌悪がちゃんと見える。

 

本作は5分アニメという制約を完璧なまでに生かしきっている。

全編において男性が好きそうなコスチュームの女性が登場するのだが、それらがコスプレではなく”本物”であることを、作品冒頭の数秒で映像描写している。

例えば第1話。

立派なお屋敷の外観と内装が写され、その後メイドが登場する。

これは、『ここはメイド喫茶でもないし、コスプレ会場でもない、本物のお屋敷ですよ、だから今から登場するメイドはとある屋敷に勤める本物のメイドさんですよ』と映像で説明しているのである。

シスター然り、巫女さん然り、全て”本物”であるという映像描写からストーリーがはじまる。

実に簡潔で的確な表現である。

 

 

演出も地味だがよく考えられている。

全編通して物理的に女性側が上、主人公が下になるよう配置されている。

その理由は、視点の高低差が生まれることで女性の侮蔑感と男性の卑屈さが際立つからだ。

例えば1話では主人公がいきなり土下座をする。

そのことによる効果を考えてみよう。

まず、土下座をさせることで、そこまでしてもパンツが見たいという主人公の卑屈さが表現できる。

と同時に、女性が自然と主人公を見下す構図が生まれ、侮蔑の感情がより強く表現される。

仮に土下座がなかったとしたら、男性の目線が上になるのが自然なので、女性側は上目使いとなってしまう。

そうすると侮蔑の感情が十分表現できない。

もちろん見上げて睨み付けることも可能だが、侮蔑感や軽蔑の念をアニメとして表現するには物足りない。

そこで、演出上主人公をどうにかして女性の下に置く必要が生まれる。

そのための土下座なのである。

シスター編の祭壇、病院編のベッドに寝た状態、教室編の椅子に座った状態も、主人公が見上げる、女性が見下すという構図を構築するための演出だろう(それ以外の話はやや異なるが)。

こうした構図が実に自然に配置されているので見落としてしまいがちだが、よく観察すれば視点構築のために実に周到に演出されていることがわかる。

 

この点をもってしても、本作が単なるHENTAIアニメではなく、たとえ内容に嫌悪感を抱いたとしても観る価値のある作品であると言える。

 

これで主題が深ければ短編アニメの歴史的傑作になったかもしれないが、この情熱を「パンツを見せる」というくだらない内容に惜しげもなく注いでいるところが実にJapanese Quarityであり、その点を個人的には高く評価したい。

ちなみに、作画のクオリティもかなり高い。

 

側だけ観ればたんなる変態アニメだが、ちゃんと分析すると、実は凄い作品なんじゃないかと思う。

作品に敬意を表し、勇気を出して高評価したい。

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