立体機動装置の使用は許可が要る。
許可なく使用した者をあぶり出すことができれば、そいつがソニーとビーンを殺した犯人になる。
ちなみに兵士以外に巨人殺しのスキルを持つ人間はいない。
まずアニ、ライナー、ベルトルトはマルコの立体機動装置を奪い、置き去りにして殺した。
その立体機動装置をソニービーン殺しの直前まで任務で使う。
そして元々持っていた自分の立体機動装置を使い、ソニービーン殺しを行う。
今回の調査でマルコの立体機動装置を提示すればソニービーン殺しに使った証拠は出ない。
今回の件(アニがなぜかマルコの立体機動装置を持っている)は後にアニが「女型の巨人」だとバレる一因となる。
遺体を火葬するシーン。
これは過去の回想。
トロスト区奪還作戦直後だろう。
自分を助けてくれたマルコを偲んでいる。
ジャンは元々憲兵団志望だったが、マルコの「今何を明確にすべきか分かるだろ?」というかつてのアドバイスを思い出し、今人類のために自分が何をすべきかと問い直す。
その結果、自分は調査兵団に入団するべきだと確信した。
そして、自分の気持ちが変わらないうちに震えながら仲間にそれを伝えている。
現在へ。
まだ立体機動装置の調査中。
志望兵団の話をしている。
アニ→憲兵団。
コニー→迷っている。
アルミン→調査兵団。
アルミンはアニのことが好き。
アニも多分この時点でアルミンが好きなのだろう。
アルミンが調査兵団に入ると後に戦う可能性が高いのでできればやめてほしいと思っている。
アニが憲兵団を志望するのは「始祖奪還計画」遂行のため。
中央にいた方が「始祖の巨人」継承者を見つけやすいからだろう。
アニが「別に」と言った後、アルミンは右下、アニの立体機動装置に目をやり、何かに気づいたような表情になる。
その後もアニの話の最中ずっと立体機動装置を見ている。
この時アルミンはアニがなぜかマルコの立体機動装置を持っていることに気づいた。
その意味を知るのはもう少し先になるが。
本当はアルミンの表情に意味があるのに、それを隠すためアニに視線を持っていくよう作られた秀逸なシーン。
結局立体機動装置を無許可で使った兵士はあぶり出せなかった。
アニはともかくライナーがどうしたのかは分からない。
訓練兵を集めて団長自ら調査兵団に勧誘する。
そもそも志望者が少ないので特別に調査兵団だけこういった機会が与えられているのだろう。
夜にしたのは暗くて重い話を助長するための演出。
エルヴィンは兵士の中に巨人化可能なスパイがいると推理している。
ここで地下室の話を公にした理由は二つ、
1
訓練兵の中にスパイがいると仮定。
それらしき証拠は多分ないが、可能性としてはある。
2
仮にスパイが訓練兵にいなくても、ここで地下室の話をしておけば彼らがこれからそれぞれの志望する兵団に入団したとき、あちこちで「調査兵団が巨人の謎を解くためにシガンシナ区のエレン宅の地下室に向かうぞ」と話をするはず。
結果的に兵団のどこかに潜んでいるスパイがその話を聞き、動揺して何らかのミスをすることを誘っている。
また、エルヴィンは2のケースを想定し、壁外調査を一カ月後とした。
一ヶ月もあれば地下室の噂は兵団の隅々まで知られているだろうから。
かといって数ヶ月先延ばしにすればスパイがまた壁内で巨人化してウォール・シーナまで侵入されるかもしれない。
実際はこの場にいるライナー、アニ、ベルトルトがスパイだった。
彼らは地下室に「始祖の巨人」にまつわる何があると直観し、その秘密の鍵を握るエレンにようやく目をつけ始める。
そして憲兵団入りしたアニが一ヶ月後の壁外調査時に「女型の巨人」化して調査兵団を襲う。
トロスト区外門はエレンが大岩で塞いだから、もうトロスト区から外には出られない。
東のカラネス区からシガンシナ区を目指すことになるが、その行路は調査兵団ですら未知。
夢や希望を一切語らないのが特徴。
徹底的なリアリスト。
ちなみにトロスト区奪還作戦時、ピクシス司令は兵士の家族愛に訴えたが、エルヴィンはそれすらも引き合いに出さなかった。
現実を知り、それでも死と真正面から向かい合える者のみが調査兵団に相応しいという信念があるのだろう。
ここで急いで覚えなくてもOK。
ライナー、ベルトルトは調査兵団入団。
アニだけは憲兵団へ。
もちろんそれぞれしめし合わせてのこと。
アニは中央で、ライナーとベルトルトは調査兵団の活動にて「始祖の巨人」の情報を探る。
エルヴィン団長考案。
この陣形で壁外を移動しながら巨人をいち早く見つけ、対処する。
目的はエレンをシガンシナ区まで護衛すること。
地下室の場所は分かっており、鍵もあるとはいえ、やはり現在唯一の巨人化能力者であるエレンが死んでは作戦が反故になる可能性が高い。
なのでこの陣形の最重要目的はエレンの護衛となるのだが、そのエレンの配置が示されていない。
これまで見てきた通り、エルヴィン団長はスパイが巨人化し、壁外調査時に襲ってくることを想定していた。
だからあえてエレンの配置を味方にすら教えなかった。
通称リヴァイ班。
長距離索敵陣形中、後列中央に位置する。
リヴァイ班先輩たちもエルヴィン団長の目的がまだ掴めていない。
しかし不満はない様子。
それだけエルヴィン団長およびリヴァイ兵長への信頼が厚い証拠。
エレンはトロスト区奪還作戦以来ほぼ同期と会っていなかった。
ジャンの調査兵団入りやマルコの死も知らない。
ジャンは死の価値について常に考えている。
人知れず、何の功績も残さずに死ぬことに価値はないと考える。
今回の任務はエレンの護送なので、エレン自身に価値があることが大前提。
もしエレンに価値がなければここで死ぬのは無駄死にになる
ジャンはそれをエレンに確認している。
ちなみにジャンは死を覚悟はしている。
ただ、無駄死にしたくないだけ。
第57回目らしい。
これまでほとんど成果なし。