表向きはウォール・マリア内地の兵站拠点の確保。
しかし真の目的は巨人化可能なスパイをあぶり出すこと。
その目的を知っているのは恐らくエルヴィン団長と複数の古参兵士のみ。
カラネス区外門から出てすぐ街があり、廃墟となっている。
そもそもウォール・マリア内地には巨人がいなかったのでここでも暮らせていた。
ここまで援護班がついてくる。
やや分かり辛いが、そもそもこの陣形自体それほど重要ではないので理解できなくてもOK。
今後は出てこない。
アニ。
憲兵団の仕事をどうにかして、密かに壁外に出、調査兵団を追ってきた。
後に分かる「9つの巨人」のひとつで、マーレで継承されてきた。
「9つの巨人」は本体である人間が意識的に操作することができ、それぞれ特殊能力を持つ。
アルミンは現時点でその知識はないが、「女型の巨人」は巨人の姿をした人間だとすでに察している。
「女型の巨人」は肉体を硬質化したり、「無垢の巨人」を操ることができる。
これは後にストーリー上重要な意味を持つ。
「女型の巨人」はアルミンのフードをずらし、顔を確認すると走り去っていった。
この行動はアルミンに重要なヒントを与える。
そもそも「女型の巨人」=アニはエレンを探しに調査兵団を追ってきた。
エレン以外は興味ないし今後の活動のためには殺しておいた方がよい。
だから他の兵士は容姿なく殺した。
ではなぜアルミンは殺さなかったのかというと、アニはアルミンが好きだから。
そもそもアルミンはエレンと近しいし、頭が回ることはアニも知ってる。
だから本来殺しておいた方が得なはず。
アルミンを助けにくるライナー。
もちろん「女型の巨人」がアニだと知ってる。
アルミンは状況から「女型の巨人」について推理していく。
・「女型の巨人」は巨人を率いて行動できる
「女型の巨人」が来た方向から巨人が多数現れた。
・「女型の巨人」は恐らくエレンと同じ人が巨人化したもの
巨人は普通食うために人を捕らえるが、「女型の巨人」はただ殺すために攻撃した。
・「女型の巨人」は誰かを探している
アルミンのフードをつまんで顔を確認したことからそう推察できる。
ライナー「右翼側にいる」
ジャン「左翼後方あたり」
アルミン「右翼前方あたり」
エルヴィン団長は巨人化可能なスパイが壁外調査にてエレンを奪いにくることを予測し、各班にわざと異なるエレンの配置を明記し、敵を撹乱した。
ここで注目したいのが、「女型の巨人」が現れた方向。
「女型の巨人」は右翼側から来た。
ライナーはエレンが右翼側に配置されていると聞いている。
ライナーがアニにそう教えたからアニは「女型の巨人」化して右翼側から襲ってきた。
しかしエレンはいなかったのできっと混乱している。
「女型の巨人」の脅威を他班に煙弾で伝えることは不可能。
ここで自分たちが「女型の巨人」の気を引き、その隙に調査兵団が撤退する時間を稼ぐ。
本来エゴイストのジャンがこんなヒロイックな行動を提案する理由はマルコの死。
「誰のものとも知れねえ骨の燃えかすにがっかりされたくない」とはマルコのこと。
ジャンは自分がここで「女型の巨人」をスルーすると、マルコの死が無駄になると感じた。
マルコの死を価値あるものにするため、自分がここで命を賭して「女型の巨人」を食い止める意義はあると考える。
ジャンは先にエレンに、自分が命を賭す価値のある人間でいてくれと懇願したが、それが転じてマルコの死に価値を与えるため自分が命を賭すという論理に至ったのだろう。
これはマルコがジャンに言ったこと。
ジャンはようやくここでマルコのアドバイスを自分のものとした。
アルミンはまた「女型の巨人」が自分を殺すのに躊躇したことで、本体がアニだと確信した。
そこで「死に急ぎ野郎の仇を取ってくれ」と叫ぶ。
「死に急ぎ野郎」とはエレンのことだが、このあだ名を知っているのは104期訓練兵のみ。
アルミンは「死に急ぎ野郎の仇」ということでエレンが死んだと「女型の巨人」に聞こえるように告げる。
もちろんアルミンはエレンが死んでないことを知っている(死んでたら「女型の巨人」はもうエレンを探す必要がないから)。
また、アニがまだエレンを見つけてすらいないことを分かっている。
ではなぜアルミンは「死に急ぎ野郎の仇」と言ったのか?
それは「女型の巨人」を混乱させるため。
そして実際「女型の巨人」は動きを止めた。
ここで、
・「女型の巨人」は人間の言葉を理解する
・「女型の巨人」は「死に急ぎ野郎」という104期訓練兵しか知らないエレンのあだ名を知っている
・「女型の巨人」はエレンの捕獲が目的(死んだと聞いて戸惑うということは殺すつもりはない)
ということがわかる。
ライナーが「女型の巨人」に向かう際、自らフードを外したことに注目。
アニに自分が誰だか知らせ、殺さないよう注意させた。
その上で「女型の巨人」に攻撃を仕掛ける。
「女型の巨人」はライナーを捕まえるが、当然殺しはしない。
ここは完全に二人の茶番。
ライナーは「女型の巨人」に掴まえられ、握りつぶされそうになるが、これも茶番。
このときラーナーは「女型の巨人」の手のひらにメッセージを書いた。
ライナーは「女型の巨人」の指を斬り脱出。
掌は斬ってない。
「女型の巨人」は普通ならライナーを追ってもいいはずなのに、湯気の出る掌をしばらく眺めている(ライナーの伝言を読んでいる)。
最後にライナーは「女型の巨人」から離れることを指示する。
一見自然な行動だが、ライナーからすると「女型の巨人」を再度エレンの元に向かわせたいだけ。
アルミンは「女型の巨人」が自分たちを追ってこないことに違和感を感じる。
また、エレンのいるであろう中央後方に向かったことに驚く。
これは読者へのヒント。
アルミンはアニのが「女型の巨人」だとは気づいたが、ライナーが仲間だとは気付けていない。
キャラクター引用サイト:https://shingeki.tv/season1/character/#0
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