2019年10月10日~2020年3月26日(Amazonプライムにて配信)
原作:沙村広明 『無限の住人』(講談社「アフタヌーン」所蔵)
監督:浜崎博嗣
シリーズ構成:深見真
キャラクターデザイン:小木曽伸吾
美術監督:工藤ただし
色彩設定:篠原愛子
撮影監督:増元由紀大
3DCGディレクター:市川孝次
編集:長谷川舞
音響監督:清水洋史
音響効果:武藤晶子
音楽:石橋英子
アニメーション制作:ライデンフィルム
万次:津田健次郎
浅野凜:佐倉綾音
天津影久:佐々木望
凶戴斗:鈴木達央
黒衣鯖人:花輪英司
閑馬永空:咲野俊介
乙橘槇絵:桑島法子
阿葉山宗介:ふくまつ進紗
天津三郎:秋元羊介
川上新夜:小原雅人
吐鉤群:中田譲治
百琳:林真里花
偽一:白熊寛嗣
尸良:奈良徹
真理路:小林親弘
宗理:関智一
八百比丘尼:真山亜子
吉乃瞳阿:釘宮理恵
八苑狼夷作:かぬか光明
馬絽祐実:福田賢二
荒篠獅子也:楠大典
綾目歩蘭人:草尾毅
杣燎:田中有紀
荒篠獅子也:楠大典
目黒:佐古真弓
たんぽぽ:尾身美詞
御岳:三上哲
大人気コミックのAmazonプライム版アニメ。
地上波では2008年に一度制作されているがそれとは異なるらしい。
映像の美しさと音声のクリアさは群を抜いているといっていい。
逸刀流という無頼剣客集団に家族を殺されたヒロイン凜の復讐譚。
プロットが分かりやすくスピーディで、ややご都合主義でもあるが、それがアクションにつながっているので観ていて厭きない。
江戸時代を舞台とした時代劇だが言葉遣いや人物造形がどこか現代的で、キャラクターも豊富。
続々と新キャラが登場するのだが、誰が誰だか分からなくなることはなかった。
まあ、どれもわりとすぐ死ぬし…
問題は作品全体を通しての描写。
剣劇は血みどろで残酷、露悪趣味と言ってもいい。
そこへ来て拷問やレ○プ、人体実験なども平気で描写しているので、はっきりいってかなりキツい。
「ゴブリンスレイヤー」がまだ可愛く見えるほど。
人間を徹底的に痛めつけ、悲しみと業のどん底にたたき落とすことで物語を推進させる手法は「進撃の巨人」に近いものがあるが、正直、もっとひどい……。
しかも救いと言うほどの救いもないので、視聴後は重い倦怠感にやられてしまう。
ここまでズシンとのしかかってくる作品は近年まれだろう。
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以下ネタバレ
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個人的に残念に思ったこと。
まず凜の感情の変化がイマイチ伝わってこない。
特に天津に対しては物語中何度も接触し、助け、助けられ心を通わしていたように思えたが、結局最後に仇討ちを果たす。
あそこまでボロボロの天津を殺せるのならもっと早いところでやっていてもよかったはず。
あと、後半から逸刀流・無骸流・六鬼団の三つどもえの戦いにする意味もよく分からなかった。
それぞれの大義や立場は分かるが、その分主題がブレて、凜の存在感がどんどん薄まっていった。
大きく広がって終わりならそれでもいいのだが、結局最後に言い訳的に凜の仇討ちで幕を閉じるのなら、変に天津と凜を接触させずに、最後の最後で出会って討ち取ってほしかった。
まあ、そうすると無限の住人じゃなくなるのだろうが。
最後に、ここまで人間を痛めつけた責任が取れていない気がした。
ハッピーエンドにしろとは言わないが、あまりにもただ痛めつけられ、ただ殺されたキャラが多すぎて、物語というより悪趣味なSM作品のような匂いが強く残ったのが残念。
同じ血みどろの殺し合いなら「甲賀忍法帳」の方がよっぽど美しさがある。
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