本記事は完全ネタバレ解説です。
ご注意ください。
ライナーとベルトルトのこと。
彼らはマーレの戦士。
ユミルはこれから体力の回復を待って調査、処罰の対象となるだろう。
それを見越してクリスタはユミルが仲間を助けるために巨人になったことで情状酌量を願い出ている。
ヒストリア・レイス。
その名前を知った途端、ハンジの態度が変わる。
この辺は徐々に分かっていく。
ハンジはユミルをトロスト区に運ぶことを命令。
現在ハンジ隊は壁の上にいる。
この壁は恐らくウォール・ローゼで、壁の上からトロスト区にユミルを運ぶのだろう。
ライナーはかなりまいった様子をしている。
巨人に腕を噛み砕かれたからだといしているが、本当はユミルが「顎の巨人」だったことを受け、今後の「始祖奪還計画」の修正を急ピッチで考えているところ。
それが直後の告白につながる。
「女型の巨人」につかまったときのこと。
その話を聞いて、アルミンはあることを思い出す。
後に回収。
ベルトルト「故郷に帰ろう」←マーレのこと。
「始祖奪還計画」で「始祖の巨人」の継承者をマーレに拉致することが目的。
これまではマルセルを捕食し行方不明になった「顎の巨人」が密かに始祖の巨人も継承しているという線もあったので、「顎の巨人」も探していた。
そこへ、「顎の巨人」がユミルと判明した。
そうなると、もうエレンとユミルを拉致すればどっちかが始祖の継承者だから「始祖奪還作戦」は成功となる。
ベルトルトはここで巨人化し、二人を連れ去ることを決意。
ライナーもそれに合意。
駐屯兵団先遣隊として壁の穴を探していた。
「トロスト区からクロルバ区の間に、壁に異常はない」
ライナーは突然、自分が「鎧の巨人」、ベルトルトが「超大型巨人」だと告白する。
そしてエレンを説得しはじめる。
ワンチャン説得ができればもう人類を攻撃しなくて済む。
さすがにライナーも仲間たちに情が移ってき、できれば破壊や殺戮をせずに「始祖奪還計画」を完遂させたいと思ったのか。
ベルトルトは驚いているようなので、以外とそこまで情は移っていなかったのか?
あるいはライナーのやり方が急すぎてびっくりしたのか。
エルミハ区でまだエルヴィン本隊が休息していたときのこと。
ハンジは第3話(28話)でサシャが持ってきたアニの身辺調査を読んだ。
それによると、ライナーとベルトルトはアニと出身が同じ。
ちなみにマーレではない。
ベルトルトが「超大型巨人」になってウォール・マリアに穴を開け、その混乱に乗じて侵入、難民に扮しウォール・ローゼの中で再会、3人揃って辺境の山小屋で暮らす(コミックス24巻参照)。
エレンたちが参加した第57回壁外調査。
Season1第17話~22話。
女型の巨人が初登場した。
このとき、女型(アニ)はなぜか陣形の右翼側を狙ってきた。
その後の調査で、ライナーとベルトルトがいたグループにはエレンを右翼側に配置した誤った作戦企画書が配られていたことが分かった。
つまり、ライナーとベルトルトが事前に「壁外調査でエレンは右翼側に配置されている」と知り、それを憲兵団に所属するアニに漏らしたと推察される。
アルミンはライナーが女型に握り潰されそうになったことを思い出す。
同時に、ライナーが女型の手を切り付け間一髪で逃れた後、アニが手を見つめてすぐに方向転換したのを思い出した。
ライナーはあのとき、女型の掌にメッセージを書き、エレンの居場所を教えたという推理。
ライナーとベルトルトを誘導し、地下に幽閉する。
そのつもりで彼らは動いていたが、ライナーが唐突に告白したことで作戦が狂った。
ライナーはエレンに「ついてきてほしい」と懇願し、エレンに諫められて絶望的な表情をする。
これは断られたからではなく、マーレの戦士である自分が敵であるエルディア人に対し慈悲や友情からお願いしていることに絶望した。
すぐ後のモノローグで分かる。
・赤い旗が折れて大きな音を立てる
ライナーたちと調査兵団、同期たちの関係性が壊れたことの象徴。
・光が射す
さっきまで曇っていたのに、旗が折れたことをきっかけに光が射しはじめる。
ライナーの決意の象徴。
「そうか、きっと、ここに長く居すぎてしまったんだな」
故郷のマーレを離れ、異文化のパラディ島に長くいすぎてしまった。
「バカなやつらに囲まれて、3年も暮らしたせいだ」
同期や先輩に囲まれて3年間苦楽をともにした。
「バカやつら」は良い意味。
ライナーはエレンたちを好きになっている。
「俺たちはガキで、何ひとつ知らなかったんだよ」
俺たち=ライナー、ベルトルト、アニ、マルセルのこと。
「始祖奪還作戦」に就いたときはまだ無知な子供だった。
「こんなやつらがいるなんて知らずにいれば、俺は、こんなハンパなクソ野郎にならずに済んだのに……」
マーレではエルディア人は悪魔の末裔と教えられてきた。
しかし、ライナーたちはエルディア人にもエレンをはじめ、「こんな(いい)やつらがいる」と知り、気持ちが変わってきた。
「もう俺には何が正しいことなのか分からん。ただ、俺のすべきことは、自分のした行いや選択に対し、戦士として最後まで責任を果たすことだ」
ライナーはマーレの戦士としてエルディア人を殺し、始祖を奪還するために教育されてきたが、実際にパラディ島でエルディア人たちと苦楽をともにし、果たしてそれが正しいことなのかどうか分からなくなった。
ただ、ここまで来てもう後戻りはできないし、あくまで自分はマーレの戦士なので、「始祖奪還計画」を任された責任を果たすべきだと改めて決意した。
ハンジ班の皆は、すでに聞かされていたにも関わらず、ライナーとベルトルトが巨人だと判明しても誰一人動けなかった。
そんな中、ミカサは命令もないのにライナーとベルトルトを殺しにかかる。
ミカサの決断力、仲間だった者を有無を言わさず攻撃できる冷酷さ、そしてエレンへの愛情や忠誠心がうかがえるシーン。
そんなミカサでもライナーとベルトルトを仕留め損なう。
彼らも過酷な訓練や実践を生き抜いてきた逸材だし、そもそもがマーレの戦士。
さすがのミカサでも一撃で仕留めるのはリアリティに欠ける。
もちろんプロット上もここで仕留めてしまっては台無し。
「鎧の巨人」はエレンを、「超大型巨人」はユミルを掴まえる。
あくまで彼らの奪還が目的なので殺さない。
エレンは巨人に捕まって涙するが、怖いからではない。
ずっと仲間だと思ってきた彼らが間接的に母親を殺し、仲間たちを殺してきた元凶であり、人類の敵だと分かって悲しいから。
その悲しみはすぐに怒りに転化される。
キャラクター引用サイト:https://shingeki.tv/season2/
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
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