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2016年1月~3月
監督:中村亮介
助監督:柴山智隆
脚本:中村亮介
キャラクターデザイン:細井美恵子
キーアニメーター:浅賀和行/馬場健
美術監督:金子英俊
色彩設計:茂木孝浩
撮影監督:五十嵐慎一
編集:肥田文
音楽制作:東宝
音楽プロデュース:(K)NoW_NAME
ハルヒロ:細谷佳正
ランタ:吉野裕行
マナト:島﨑信長
モグゾー:落合福嗣
ユメ:小松未可子
シホル:照井春佳
メリイ:安済知佳
レンジ:関智一
キッカワ:浪川大輔
ブリトニー:安元洋貴
バルバラ:能登麻美子
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ど直球の異世界転生もの。
第一話からテンポが良く、停滞感を感じさせない工夫がなされている。
後半までは、戦闘シーンよりも日常生活の描写の方がやや多いが、美しい背景や小道具に加え、丹念な人物描写が秀逸で視聴者を厭きさせない。
また、本作品は音楽を大事にしており、単なるBGMではなく、音楽をメインとしてストーリーが進む箇所がほぼ毎回挿入されているところも見所のひとつ。
物語の主題は〈グループマネジメント〉、あるいは〈リーダー論〉。
友達の集まりや部活、サークル、仕事のチームなど、グループが目的に向かうときに必ず起こる相生相克と、それをひとつにまとめる苦労を作中で丹念に描いている。
キャラクターは、安易な萌えやお約束としての美男美女と言うより、グループに必ず1人はいるというタイプを選別して登場させているよう。
自分が帰属しているグループに当てはめて、「ああ、こんなやついるいる」と誰でも共感できるはず。
それだけ普遍性があるという意味で文学的な作品と言えるだろう。
ただ、一貫して作品からこちらの感情移入を拒絶するような意志を感じた。
おそらく、全話におよぶ主人公・ハルヒロの現代っ子らしい諦観と妥協に満ちたモノローグ(というか愚痴)のせいだろう。
本作における視聴者と作品の架け橋(世界観の解説、プロットの推進、各キャラの心理の代弁)がハルヒロのモノローグによるところが大きいのだが、彼の淡々としたつぶやきは、どこか視聴者に対し、作品から距離を置くよう強制する力がある。
まるでハルヒロに『こっちはこっちでちゃんとやってるから、口出ししないでよ』と言われているような感じがした。
そのせいか、最後まで作品世界に没頭できなかった。
放送から丸1年が経ち、改めて観てみて驚くほど良作だと思えたのだが、放送当時からいまいち盛り上がらず、その後もすぐに話題から消えてしまったのは、上記の理由に負うところが大きいのかもしれない。
しかし、改めて見てみると、主題もしっかりと立っており、作画(特に背景)も美しく、人間描写も申し分ない。
読書が好きな大人に「面白いアニメない?」と聞かれたら迷わず本作の名を挙げるだろう。
原作も読んでみたい。
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