本記事は完全ネタバレ解説です。
ご注意ください。
ベルトルトは巨人化せず、ユミルと一緒にライナーの背中に乗って逃走。
恐らくこれが一番機動性が高いのだろう。
クリスタは「顎の巨人」の口の中。
無垢の巨人を引き連れたままライナーを追いかけることをエルヴィンが告げると、「この悪魔め、また俺たちをおとりにするつもりか」と憲兵団員が叫ぶ。
「また」が何を指すのか不明。
エルヴィンは否定するが、事実上壁外に慣れていない憲兵団は巨人のおとりにならざるをえない。
また、この時点でエルヴィンはクーデターも視野に入れているはずなので、中央勤務の憲兵団は少しでも減らしておいたほうが都合がいい。
エルヴィンの非情・冷酷な面が出ている。
ミカサは今度こそどんな手を使ってでも殺すと息巻くが、アルミンにはこの時点で何か考えがありそう。
ユミルが口の中から取り出す。
やはり生きていたが、失神していたよう。
巨人の体液にそういった作用があるのか?
第9話でエレンが巨人に飲み込まれたときも、先に飲み込まれた人間がじわじわ胃の中で死んでいく描写があった。
ユミルは自分に嘘をつかずに生きていくと決めた。
その結果、クリスタのために殉ずるという目的に到達した。
しかしその対象であるクリスタはそれを拒否し、共闘を叫ぶ。
ここでユミルの目的がふたつに割れた。
1、自分に嘘をつかず生きる
マルセルを捕食してからのユミルの主題。
今はクリスタをマーレに連れ去り、自分は次の「顎の巨人」に捕食され、死ぬことが嘘偽りのない目的。
しかしクリスタはそれを望まない。
2、クリスタの願いを叶える
クリスタと共に戦う。
ユミルはそれを望んでおらず、こちらを選択すると自分の主義に反する。
上手くいけばユミルは助かるかもしれないが、壁内に留まれば状況は変わらない。
ただ、こちらを選べばクリスタを満足させることはできるし、友情も深まるはず。
自分に嘘をつかず、なおかつユミルの願いを叶えることは不可能らしい。
ではユミルにとって最善の選択とは?
ベルトルトはユミルの一貫性のない態度に不安を露わにする。
ユミルに脅されてあえて危険を冒しここまで来たのに、そのユミルの意志が簡単に揺らいでしまったので、そりゃそうだろう。
ユミルのリーダーシップのなさも露呈した。
結局、傀儡になるべくしてなった子なのだろう。
ユミルは、クリスタ(ヒストリア)をさらったのは自分が助かるためだと告白する。
たぶんこれは嘘。
さっきクリスタのためを思って説得しようとして失敗したから、今度は自分のためだと論調を変えたのだろう。
また、これでクリスタの「良い人」根性を揺さぶって納得させようとしている。
コロコロ意見を変えるのはユミルの悪いところ。
クリスタは「言ったでしょユミル、何があっても私はあなたの味方だって」と宣言。
このときのユミルの感情が難しい。
ただ嬉しいだけではなさそう。
調査兵団はライナーに追いつき、ミカサはユミルを殺そうとするが、クリスタが止める。
ミカサはクリスタにエレンかユミルか、選択を迫る。
「選択」は本作の主題であり今後も散見されるが、主要キャラが選択を迫ることはあまりない。
そういえばミカサはこれまでエレンにも何度か選択を迫ってきた。
ミカサは選択させるためのキャラでもあるのか?
ミカサはクリスタに選択を迫ったものの、ユミルがクリスタの言うことに従ったのを見て放置。
エレンの元へ。
味方のクリスタの言うことを聞くので、ひとまずは大丈夫と判断したのか?
ベルトルトは同期たちの話に感情を揺さぶられる。
ライナーは人格を乖離させたが、ベルトルトも本当に同期たちを仲間だと思っていたらしい。
そもそも彼らはマーレ国における被差別人種として、ある意味仕方なく「戦士」となった。
本心からエルディア人を憎んでいたわけではない。
「誰か僕らを見つけてくれ」
今まで壁内で孤独に過ごしてきたが、早く本当の自分になって故郷に帰りたいという意味か?
「誰か」はマーレ人?
ベルトルトの「誰か僕らを見つけてくれ」という台詞にユミルは悲痛な表情を浮かべる。
ユミルもまた壁内で孤独に生きてき、ベルトルトと同じ気持ちだったのだろう。
ベルトルトの悲痛な告白に同期は黙ってしまうが、ミカサだけは一環してエレン救出しか頭にない。
アッカーマン一族の性質か。
ベルトルトは泣きごとを言うも、「始祖奪還作戦」は諦める気はない。
さすが「戦士」に選ばれただけはある。
ライナーの正面から巨人を引き連れてきた。
「無垢の巨人」同士は共食いはしないようだが、「9つの巨人」は人間を中に宿しているからか、「無垢の巨人」の捕食対象となっている。
エルヴィンはその性質を利用し、巨人に巨人を攻撃させるという奇策に出た。
ライナーにぶつかるぎりぎりで総員散開(散らばること)、「無垢の巨人」たちはそのままライナーに突っ込んでいく。
ライナーに掴まっていたミカサたちは離れたが、クリスタだけはユミルに捕まえられているので飛べず。
さっきまで「顎の巨人」から半分出ていたはずだが、また「顎の巨人」となっている。
このへんはよく分からないが、完全に巨人から脱出しなければ出たり入ったりは自由なのか?
ライナーが「無垢の巨人」の大群に捕まって動けなくなったところで巨人の群れに対し突撃命令。
相当無茶だが、平地ではたぶんこれしかない。
ライナーが自分とエレンやベルトルトを守るために「無垢の巨人」たちと戦っている隙をついてエレンを奪還する。
巨人に片腕を食われるがまだ死なない。
団長の覚悟を示すための演出だろう。
アルミンがいち早くエレンの元に到着。
その瞬間、「何も捨てることができない人には、何も変えることはできないだろう」という自分自身の台詞を思い出す。
同時に、命を捨ててエレンを奪還しようとするエルヴィン団長の覚悟を目の当たりにし、この状況を変えるため自分が何を捨てるべきかを考える。
「何を捨てればいい? 僕の命と、他に何を…」
さらっと言っているけど、まず重要なのはアルミンがとっくに命を捨てる覚悟を持っているということ。
それは当たり前として、エレンを奪還するためにはさらにそれ以上の”何か”を捨てる必要があると考える。
結果、アルミンの捨てたものは「人間性」。
アルミンはベルトルトのアニに対する恋心を知っていた。
また、ライナーとベルトルトにとってアニが大切な仲間だということも分かっている。
その友情、愛情を自身の嘘で蹂躙するという非人間的な行為をアルミンは行う。
ちなみにアニは硬質化しているので拷問は不可能。
ベルトルトがキレたところに隙ができ、エルヴィン団長がエレンを縛っていた襷を着る。
ミカサがすかさずエレンを奪い返し、奪還成功。
このミッションの裏テーマは「犠牲」だろう。
腕を犠牲にしたエルヴィン、人間性を犠牲にしたアルミン。
どさくさに紛れて「顎の巨人」から脱出、同時に巨人を一体討伐。
これが初らしい。
今後も重要な役割を担う人物なのでここでは殺させず、コニーが救出。
クリスタはユミルを助けるために一緒にマーレへ行くと言い張る。
つまりクリスタはユミルの利己心のために犠牲になりたいということ。
しかしコニーは冷静に、ユミルがクリスタを助けるために命がけで戦っていたことを指摘。
ユミルが自分が助かりたいためにクリスタを利用する人間なら、クリスタのために戦わずに一目散に逃げるだろう。
結局ユミルはユミルでクリスタのために犠牲になりたいだけで、実際二人がマーレに行ったらユミルは間違いなく処刑(巨人継承のため捕食される)され、クリスタは生かされて政治利用されていただろう。
クリスタはやっとそれが理解できた。
結局ユミルとクリスタはお互いの自己犠牲精神のために相手を利用しようと牽制しあっていただけ。
ライナーが巨人を投げたことにより、エレンとミカサは落馬。
ミカサは先ほど巨人に捕まえられたことで怪我をして動けない。
そこへエレンの母親を捕食した「無垢の巨人」が登場。
これはダイナ・フリッツが「無垢の巨人」化したもの。
それは追々明かされる。
キャラクター引用サイト:https://shingeki.tv/season2/
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
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